小峯和明編『東アジアに共有される文学世界 東アジアの文学圏』東アジア文化講座3(文学通信)
3月上旬刊行予定です。
ISBN978-4-909658-46-3 C0320
A5判・並製・カバー装・460頁
定価:本体2,800円(税別)
前近代の東アジアの交流を学び、今に活かす!
東アジアの文化と文学の交流を学ぶシリーズ、東アジア文化講座第3巻。
中国からひろまった漢字漢文にもとづく思想や文化は、日本だけでなく、各地域でどのように展開し、継承と反発をくり返し、独自のものに再創造されたのか。
中国、朝鮮半島、日本、琉球、ベトナムなど、これらの交流圏にあった十九世紀以前の前近代の東アジアを俯瞰し、論じていく。
東アジアと日本、世界を接続して考え、問い直していくシリーズ、東アジア文化講座。
これからの東アジアを生き抜くヒントがここにある。
第3巻は東アジアの文学圏をテーマに、東アジアの学芸、宗教と文学、侵略と文学、歴史と文学、文芸世界などの問題を設定し、東アジアに共有される文学世界を俯瞰し論じる。「東アジア文学史」の不在により、鮮明にはなっていなかった東アジアの文学を明らかにすべく、その言語表現に即した想像力や思想性、それに基づく形象力、再生力を検証する。ここから「東アジア文学史」がはじまる。
執筆は、小峯和明/中村春作/小川豊生/岩本篤志/井上 亘/楊 暁捷/井上泰至/司 志武/原 克昭/Matthias Hayek/張 哲俊/趙 恩馤/馬 駿/千本英史/山下克明/神田千里/大西和彦/高 陽/伊藤 聡/佐野愛子/陳 小法/松本真輔/目黒将史/徳竹由明/樋口大祐/韓 京子/髙津 茂/魯 成煥/木村淳也/野崎充彦/ファム・レ・フィ/小林ふみ子/宇野瑞木/洪 晟準/鄭 炳説/近衞典子/琴 榮辰/金 鍾徳/袴田光康/荒木 浩/染谷智幸の41名。
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【編者紹介】
小峯和明(こみね・かずあき)
立教大学名誉教授、中国人民大学高端外国専家。『説話の森』(岩波現代文庫)、『説話の声』(新曜社)、『説話の言説』(森話社)、『今昔物語集の世界』(岩波ジュニア新書)、『野馬台詩の謎』(岩波書店)、『中世日本の予言書』(岩波新書)、『今昔物語集の形成と構造』『院政期文学論』『中世法会文芸論』(笠間書院)、『東洋文庫809 新羅殊異伝』(共編訳)、『東洋文庫875 海東高僧伝』(共編訳)、『予言文学の語る中世 聖徳太子未来記と野馬台詩』(吉川弘文館)、『遣唐使と外交神話 『吉備大臣入唐絵巻』を読む』(集英社新書)など。
【目次】
序 東アジアの文学圏●小峯和明
1 本巻の構成
2 東アジア文学圏の意義
3 東アジア文学史の可能性
4 比較文学と交流文学
第1部 東アジアの学芸
01 儒教の世界―近世日本の場面から●中村春作
1 儒教の風景
2 儒教の包括性
3 読み継がれた経書、『論語』
4 朱子学との邂逅―仁斎、徂徠の『論語』注釈
02 東アジアの注釈学―宋・遼・高麗・日本をつなぐ〈注釈の知〉●小川豊生
1 思想の変革と〈注釈〉
2 東アジアを横断する注釈の諸相
3 遼代仏教を起点とする注釈の波動
4 華厳注釈の席巻と東アジア
03 医学と本草学―十六世紀以前の中国と日本を中心に●岩本篤志
1 はじめに
2 『史記』にみえる医術者の姿
3 中国出土医書から見た秦漢期の医術
4 『漢書』芸文志による医書の分類と本草書の展開
5 日本における医学・本草学の展開
6 おわりに
04 類書の「世界」●井上 亘
1 類書とは
2 「類聚の世紀」
3 士大夫文化と国風文化
05 絵と絵師にみる日本と中国●楊 暁捷
1 はじめに
2 神々の姿
3 絵師悲話
4 絵が訴える
5 才能への視線
6 よみがえる古典
7 おわりに
06 軍書・軍学・兵法●井上泰至
1 兵学、その多様な側面
2 文芸と兵学―教育と娯楽
3 戦のイメージと兵学―軍記・屛風・絵巻
4 儀礼・有職故実・権力
5 東アジアから、あるいは東アジアへの視点―荻生徂徠
07 中国古代兵学―漢文圏の兵学研究●司 志武
1 はじめに
2 兵書の収集・整理と〈兵家〉四種の成立
3 〈兵家〉と諸子百家の関わり
4 学科としての〈兵家〉及びその多元的思想の特徴
5 おわりに―兵陰陽家と漢文圏の学芸
08 占術書―文芸交流の事例として●Matthias Hayek
1 はじめに
2 『周易』と術数
3 日本での展開
4 宋・明の類書と版本
5 江戸時代の出版文化と占い
6 東アジアの絵入り占書
09 盤上遊戯●原 克昭
1 盤上遊戯研究の現在
2 文学史にみる〈対局〉の風景点描
3 盤上遊戯のゆくえ
第2部 東アジアの宗教と文学
01 仏伝の変成―浄飯王の物語●趙 恩馤
1 はじめに
2 王位継承者の出家―家族の情愛と孝養
3 親心と悟り
4 浄飯王の死と親子の情愛
02 法華経の文学的な営み―『本朝法華験記』を事例として●馬 駿
1 はじめに
2 中国における『法華経』
3 朝鮮における『法華経』
4 日本における『法華経』
5 信者らの往生地
6 おわりに
03 道教と神仙―『列仙伝』から『列仙全伝』へ●千本英史
1 列仙全伝という書物
2 劉向『列仙伝』との関係
3 和刻本独自の特徴
4 補・架蔵版本の伝来
04 東アジアと陰陽道●山下克明
1 はじめに
2 陰陽寮と術数・呪術
3 東アジア呪符文化の伝来と浸透
4 陰陽道成立の前提
05 キリシタン文学と東アジア―キリシタン版の一側面●神田千里
1 はじめに―キリシタン文学『平家物語』『太平記抜書』
2 信仰と道徳―削除・改竄の実態(一)
3 遁世と歴史観―削除・改竄の実態(二)
4 「日本人」の探求―『平家物語』『太平記』重視の背景
06 韓国の壇君神話と檀君神話●張 哲俊
1 壇君神話と檀君神話の文献
2 壇樹の歴史
07 北部ベトナムの宗教文化―九天玄女信仰の発展●大西和彦
1 はじめに
2 問題の所在
3 正月行事「カイーネウ」と九天玄女信仰
4 考察
5 おわりに
08 須弥山と芥子―極大と微小の反転●高 陽
1 仏教の空間―須弥山から「芥子納須弥」のたとえへ
2 「芥子納須弥」への疑問
3 「芥子納須弥」の文学表象
09 仏陀の夢と非夢―西行伝への示唆をもとめて●荒木 浩
1 始原としての夢
2 夢告無き子
3 子を残して出家すること―西行伝承への視界
10 神道と東アジア●伊藤 聡
1 はじめに
2 古代
3 中世
4 近世
5 おわりに
第3部 東アジアの侵略と文学
01 モンゴルの侵略とその言説―『越甸幽霊集録』を読む●佐野愛子
1 はじめに
2 『越甸幽霊集録』とは
3 国土を守る神
4 侵略と託宣
5 神の冥助の差異
6 おわりに
02 倭寇と文学―中国明清文献にみる秀吉像を中心に●陳 小法
1 はじめに
2 引切り無しな「倭警」と関白情報
3 卑賤之身
4 首級懸賞
5 死亡伝聞
6 中国人説
7 異類妖孽
8 好色之魔
9 おわりに
03 壬辰倭乱とその文学●松本真輔
1 はじめに
2 壬辰倭乱に関連する韓国の文献
3 『壬辰録』の概要
4 『壬辰録』の性格について
5 おわりに
04 琉球侵略と文学―〈薩琉軍記〉の世界●目黒将史
1 はじめに―〈薩琉軍記〉について
2 読み継がれた〈薩琉軍記〉
3 創造された世界と現実世界との融合
4 為朝渡琉譚をめぐって
5 おわりに
05 蝦夷と北方の言説●徳竹由明
1 はじめに
2 中世文芸における蝦夷
3 近世文芸の中の蝦夷
4 おわりに
06 亡命・拉致の文学●樋口大祐
1 はじめに
2 境界線の内外で
3 対「蝦夷」戦争における「亡命」
4 『平家物語』と「亡命」「拉致」の記述
5 琉球戦争と「亡命」「拉致」
07 東アジアの鄭成功●韓 京子
1 はじめに
2 唐船により日本に伝わった「鄭成功」
3 地理書から見る鄭成功
4 脅威的な海上勢力として朝鮮に伝わった鄭成功
5 南明の重要人物として認識された鄭成功
08 ベトナムの英雄像●髙津 茂
09 韓国から見た日本の耳塚●魯 成煥
1 日本における朝鮮人の耳、鼻塚
2 京都の耳塚を見た近世の朝鮮人
3 京都の耳塚を見た朝鮮のお上りさん
第4部 東アジアの歴史と文学
01 琉球の歴史叙述と説話●木村淳也
1 はじめに
2 琉球の歴史と琉球文学
3 『中山世鑑』の歴史叙述
4 蔡温本『中山世譜』の歴史叙述
5 琉球の地誌と家譜
6 『球陽』と『遺老説伝』
7 おわりに
02 朝鮮の野談と歴史書―戦乱ものを中心に●野崎充彦
1 野談・野史・歴史
2 戦乱のはざまで―趙胖の悲恋譚
3 壬辰倭乱の諸事例―宋象賢・李舜臣・惟政
4 歴史と「非」歴史のあいだ
03 歴史と説話との交差―ベトナムの「剣湖伝説」を事例にして●Pham Le Huy
1 はじめに
2 さまざまな教科書、さまざまな「常識」
3 「神剣」の説話と『藍山実録』
4 剣湖伝説の成立とその展開
5 剣湖伝説に潜めた象徴世界
6 おわりに
04 正史と稗史の間隙●洪 晟準
1 正史・稗史(野史)とその記述形式
2 日本・琉球国・中国・韓国の主な正史
3 歴史の信頼性
4 琉球国の正史と稗史、そして曲亭馬琴
5 韓国の正史と稗史―歴史を読むということ
05 『三国史記』と『三国遺事』●袴田光康
1 はじめに
2 『三国史記』と金富軾
3 『三国遺事』と一然
4 『三国史記』と『三国遺事』の特徴
06 東アジアの地図を読む―十九世紀大坂商人の東アジア●小林ふみ子
1 はじめに
2 もっともらしくも珍妙な東アジア図
3 中国・朝鮮・琉球の理解
4 本図の刊行をめぐって
第5部 東アジアの文芸世界
01 才子佳人の世界●鄭 炳説(金 英順訳)
1 東アジアの同時性
2 主人公の性格
3 都市と小説
4 愛情表現の異質性
02 かなとハングル、王朝と女性文学●金 鍾徳
1 はじめに
2 かなとハングル
3 かな文字の教育と文学
4 ハングル教育と文学
5 おわりに
03 東アジアの笑話―滑稽の類似と相違●琴 榮辰
1 東アジア笑話と滑稽のモチーフ
2 「三人話」に見る「泣く」人物への笑いと滑稽のモチーフの類似
3 「怒る」「恥じる」「驚く」韓国の阿呆と「感心する」日本の阿呆
4 「失敗を恥じるを笑う」韓国人と「失敗の可笑しさを笑う」日本人
04 『剪燈新話』と日本文学―『銭湯新話』から『浮世風呂』まで●近衞典子
1 はじめに
2 書名における『剪燈新話』
3 単朴著『銭湯新話』
4 単朴『銭湯新話』以後の展開
5 おわりに
05 『剪燈新話』の東アジアへの展開と『金鰲新話』●染谷智幸
1 はじめに
2 『金鰲新話』の世界
3 金時習の自我と歴史観
4 朴生の一理論
5 韓生のユートピア
6 おわりに
06 「伝」の世界―『孝子伝』から『阿Q正伝』まで●宇野瑞木
1 はじめに―「伝」とは何か
2 伝統的「伝」の世界―〈主―従〉相互依存の構造
3 孝子伝とその図像―歴史性からの逸脱、瑞祥へ
4 伝統的「伝」の世界への挑戦―魯迅『阿Q正伝』
執筆者一覧
索引
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執筆者一覧
掲載順①現職②専門③主要著書・論文
編著者◉小峯和明→奥付
中村春作(なかむらしゅんさく)
①広島大学名誉教授
②日本思想史
③『江戸儒教と近代の「知」』(ぺりかん社、二〇〇二年)、『思想史のなかの日本語─訓読・翻訳・国語』(勉誠出版、二〇一七年)、『徂徠学の思想圏』(ぺりかん社、二〇一九年)
小川豊生(おがわとよお)
①元摂南大学教授
②古代・中世文学、中世宗教文化論
③『日本古典偽書叢刊』第一巻(編著、現代思潮新社、二〇〇五年)、『中世日本の神話・文字・身体』(森話社、二〇一四年)
岩本篤志(いわもとあつし)
①立正大学准教授
②東洋史
③『米沢藩興譲館書目集成』(編著、ゆまに書房、二〇〇九年)、『唐代の医薬書と敦煌文献』(角川学芸出版、二〇一五年)、『カラ・テペ テルメズの仏教遺跡』(共編、六一書房、二〇二〇年)
井上 亘(いのうえわたる)
①常葉大学教授
②日本古代史、古代東アジア情報技術史
③『虚偽的「日本」』(社会科学文献出版社、二〇一二年、中国語)、『偽りの日本古代史』(同成社、二〇一四年)、『古代官僚制と遣唐使の時代』(同成社、二〇一六年)
楊 暁捷(やんしょおじぇ)
①カルガリー大学教授(カナダ)
②日本中世文学
③『鬼のいる光景』(角川書店、二〇〇二年)、『デジタル人文学のすすめ』(共著、勉誠出版、二〇一三年)、「デジタル古典研究に挑む」(『中国21』vol.51、二〇一九年)
井上泰至(いのうえやすし)
①防衛大学校教授
②日本近世文学、近代俳句
③『近世刊行軍書論』(笠間書院、二〇一四年)、『近世日本の歴史叙述と対外意識』(編著、勉誠出版、二〇一六年)、『関ケ原合戦を読む』(共編著、勉誠出版、二〇一九年)
司 志武(ししぶ)
①曁南大学外国語学院準教授(中国)
②東アジア漢文圏の古代思想と文学、古典籍
③「日本中古説話集与讖緯:以『日本霊異記』為例」(『曁南史学』二〇一六年十月)、「平安朝の謡言・訛言・妖言・伝言と怪異説話の生成について」(原克昭編『シリーズ 日本文学の展望を拓く』第三巻、笠間書院、二〇一七年)
Matthias Hayek(まてぃあす・はいえく)
①高等研究実習院(EPHE-PSL)教授(フランス)
②歴史社会学、知識社会学
③「『安倍晴明物語』の中の占術と占い師像─江戸前期占書の視点から」(『説話文学研究』52、二〇一七年)、 「異形と怪類─『和漢三才図会』における「妖怪的」存在」(橘弘文・手塚恵子編『文化を映す鏡を磨く─異人・妖怪・フィールドワーク』せりか書房、二〇一八年)、「算置考─中世から近世初期までの占い師の実態を探って」(林淳・細井浩志・赤澤春彦・梅田千尋・小池淳一編『新陰陽道叢書』名著出版、二〇二一年)
原 克昭(はらかつあき)
①弘前大学准教授
②日本思想史
③『中世日本紀論考─註釈の思想史』(法蔵館、二〇一二年)、『習合神道』(共編、続神道大系・論説編、(財)神道大系編纂会、二〇〇六年)、『宗教文芸の言説と環境』(編著、シリーズ日本文学の展望を拓く3、笠間書院、二〇一七年)
趙 恩馤(ちょううね)
①崇実大学校助教授(韓国)
②比説話文学
③「韓日の「鹿女夫人」説話の展開に関する考察」(『日語日文学研究』85─2、韓国日語日文学会、二〇一三年)、「韓日における「仏伝」の展開─釈迦と耶輸陀羅を中心に」(小峯和明編『東アジアの仏伝文学』勉誠出版、二〇一七年)、「『釈迦如来十地修行記』第十地〈悉達太子〉における〝香〟モチーフの受容と意味─敦煌変文資料の「仏伝」との関連から」(『ウリ文学研究』56 、二〇一七年)
馬 駿(ばしゅん)
①北京第二外国語大学教授(中国)
②上代文学、比較文学
③『〈万葉集〉和習問題研究』(知識産権出版社、二〇〇四年)、『日本上代文学〈和 習〉問題研究』(北京大学出版社、二〇一二年)、『漢訳仏典文体の影響下の日本上代文学』(三巻、中国科学文献出版社、二〇一九年)
千本英史(ちもとひでし)
①奈良女子大学名誉教授
②平安・鎌倉散文文学
③『験記文学の研究』(勉誠出版、一九九九年)、『日本古典偽書叢刊』(共編著、現代思潮新社、二〇〇四・五年)、『高校生からの古典読本』(共編著、平凡社、二〇一二 年)
山下克明(やましたかつあき)
①大東文化大学東洋研究所(兼任研究員)
②日本古代・中世文化史
③『平安時代陰陽道史研究』(思文閣出版、二〇一五年)、『平安貴族社会と具注暦』(臨川書店、二〇一七年)、『發現陰陽道─平安貴族与陰陽師』(梁暁弈訳、社会科学文献出版社:北京市、二〇一九年)
神田千里(かんだちさと)
①東洋大学名誉教授
②日本中世史
③『宗教で読む戦国時代』(講談社、二〇一〇年)、『戦国と宗教』(岩波書店、二〇一六年)、『宣教師と『太平記』』(集英社、二〇一七年)
張 哲俊(ちょうてつしゅん)
①北京師範大学文学院教授、中国教育部長江学者特聘教授(中国)
②東アジア比較文学
③『柳のイメージ:モノの交流と中日古典文学』(人民文学出版社、二〇一一年)、『壇君神話研究』(北京大学出版社、二〇一三年)
大西和彦(おおにしかずひこ)
①一般財団法人アジア国際交流奨学財団(日本語研究員)
②ベトナム道教、民間信仰史
③「ベトナムにおける仏教守護神の変容」(小峯和明編『東アジアの仏伝文学』勉誠出版、二〇一七年)、「ベトナムの海神四位聖娘信仰と流寓華人」(小峯和明監修・原克昭編『【シリーズ】日本文学の展望を拓く③宗教文芸の言説と環境』(笠間書院、二〇一七年)、「ベトナムの祖先信仰と道教」(『仏教儀礼文化第15回シンポジュウム「儒仏仙三教国家の祖先崇拝」紀要』仏教儀礼文化研究会、曹渓宗冊封保存会、ソウル、二〇一九年)
高 陽(こうよう)
①清華大学准教授(中国)
②日本古典文学、日中比較文学
③「天竺「無熱池」の説話と図像─『大唐西域記』から『日本須弥天図』『玄奘三蔵絵』へ」(『日本文学』75、二〇一九年七月)、「南方熊楠と宋代の『夷堅志』─熊楠の書き込みを中心に」(『日本説話文学研究』54、二〇一九年九月)
荒木 浩(あらきひろし)
①国際日本文化研究センター教授
②日本文学
③『説話集の構想と意匠─今昔物語集の成立と前後』(勉誠出版、二〇一二年)、『かくして『源氏物語』が誕生する─物語が流動する現場にどう立ち会うか』(笠間書院、二〇一四年)、『徒然草への途─中世びとの心とことば』(勉誠出版、二〇一六年)
伊藤 聡(いとうさとし)
①茨城大学教授
②日本思想史
③『中世天照大神信仰の研究』(法蔵館、二〇一一年)、『神道とは何か─神と仏の日本史』(中央公論新社、二〇一二年)、『神道の形成と中世神話』(吉川弘文館、二〇一六年)、 『神道の中世─伊勢神宮・吉田神道・中世日本紀』(中央公論新社、二〇二〇年)
佐野愛子(さのあいこ)
①進和外語アカデミー非常勤講師
②ベトナム説話
③「『禅苑集英』における禅学将来者の叙述法」(小峯和明監修『東アジアの文化圏』シリーズ日本文学の展望を拓く1、笠間書院、二〇一七年)、「占城王妃の叙述をめぐって─『越甸幽霊集録』および『大越史記全書』から」(倉本一宏編『説話文学と歴史史料の間に』思文閣出版、二〇一九年)、「『越甸幽霊集録』における神との交流」(水口幹記編『前近代東アジアにおける〈術数文化〉』勉誠出版、二〇二〇年)
陳 小法(ちんしょうほう)
①湖南師範大学外国語学院教授(中国)
②日明関係史
③『明代中日文化交流史研究』(商務印書館、二〇一一年)、『杭州與日本交流史』(中国社会科学出版社、二〇一五年)、『日本室町時代史研究』(中国社会科学出版社、二〇一九年)
松本真輔(まつもとしんすけ)
①長崎外国語大学
②中世文学、日韓比較文学
③『聖徳太子伝と合戦譚』(勉誠出版、二〇〇七年)、『鄭鑑録─朝鮮王朝を揺るがす予言の書』(翻訳、勉誠出版、二〇一一年)
目黒将史(めぐろまさし)
①県立広島大学准教授
②日本中世、近世文学、軍記文学
③『薩琉軍記論 架空の琉球侵略物語はなぜ必要とされたのか』(文学通信、二〇一九年)、『奈良絵本 釈迦の本地 原色影印・翻刻・注解』(共編、勉誠出版、二〇一八年)、『シリーズ 日本文学の展望を拓く 第五巻 資料学の現在』(編著、笠間書院、二〇一七年)
徳竹由明(とくたけよしあき)
①中京大学教授
②日本中世文学・伝承文学
③「敗将の異国・異域渡航伝承を巡って─朝夷名三郎義秀・源義経を中心に」(青山学院大学文学部日本文学科編『日本と〈異国〉の合戦と文学』 笠間書院、二〇一二年)、「対馬に於ける素盞烏渡韓譚の生成と変容」(『説話・伝承学』25、二〇一七年三月)、「対馬に於ける文永の役関連言説の生成と変容」(『軍記と語り物』54、二〇一八年三月)
樋口大祐(ひぐちだいすけ)
①神戸大学教授
②日本文学、東アジア比較文学
③『乱世のエクリチュール─転形期の人と文化』(森話社、二〇〇九年)、『変貌する清盛─『平家物語』を書きかえる』(吉川弘文館、二〇一一年)、「二十世紀の和泉式部伝説─『かさぶた式部考』における「救済」について」(張龍妹・小峯和明編『東アジアの文学と女性と仏教』勉誠出版、二〇一七年)
韓 京子(はんぎょんじゃ)
①青山学院大学准教授
②日本近世演劇(浄瑠璃)
③「佐川藤太の浄瑠璃─改作増補という方法」(『国語と国文学』91─5、東京大学国語国文学会、二〇一四年五月)、「植民地朝鮮における文楽公演」(『日本学研究』46、檀国大学校日本研究所、二〇一五年九月)、『近松時代浄瑠璃の世界』(ぺりかん社、二〇一九年)
髙津 茂(たかつしげる)
①東洋大学アジア文化研究所客員研究員
②ベトナム宗教史
③「「徐道行大聖事跡實録」をめぐって」(小峯和明編『東アジアの仏伝文学』勉誠出版、二〇一七年)、「ゴォ・ヴァン・チェウとカオダイ教内教心傳」(『研究年報』52、東洋大学アジア文化研究所、二〇一七年)、「一九二五年におけるカオダイ教サイバン・グループとカオダイ教外教公傳」(同54、二〇一九年)
魯 成煥(のそんふぁん)
①蔚山大学教授(韓国)
②歴史民俗学
③『日本神話と古代韓国』(民俗苑、二〇一〇年)、『日本の神になった朝鮮人』(民俗苑、二〇一四年)、『時間の民俗学』(民俗苑、二〇二〇年)
木村淳也(きむらじゅんや)
①明治大学兼任講師
②琉球文学・日本古典文学・東アジア文化
③「島津重豪の時代と琉球・琉球人」(『島津重豪と薩摩の学問・文化』アジア遊学190、勉誠出版、二〇一五年)、「『古事集』試論─本文の特徴と成立背景を考える」(小峯和明・金英順編『東アジアの文学圏』シリーズ日本文学の展望を拓く1、笠間書院、二〇一七年)、「『萍水奇賞』と寛政年間における岡崎・尾張」(明治大学文芸研究会編『文芸研究』139、二〇一九年)
野崎充彦(のざきみつひこ)
①大阪市立大学大学院文学研究科教授
②朝鮮古典文学・伝統文化論
③「朝鮮時代の疾病と医療観─天人相関の視点から」(『韓国朝鮮の文化と文化』17、二〇一八年)、「洪吉童琉球渡海説の再検討」(『八重山博物館紀要』23、二〇一九年)、『慵斎叢話─15世紀朝鮮奇譚の世界』(集英社、二〇二〇年)
Pham Le Huy(ふぁむ・れ・ふぃ)
①ベトナム国家大学ハノイ校講師
②日本古代史、ベトナム古代・中世史
③「古説話と歴史との交差─ベトナムで龍と戦い、中国に越境した李朝の「神鐘」─」(小峯和明監修・金英順編『【シリーズ】日本文学の展望を拓く(一) 東アジアの文学圏』笠間書院、二〇一七年)、「ベトナムの年号史試論」(水上雅晴編『年号と東アジア:改元の思想と文化』八木書店、二〇一九年)、「ベトナムにおける祥瑞文化の伝播と展開─李朝(一〇〇九~一二二五)の霊獣世界を中心にして」(水口幹記編『前近代東アジアにおける〈術数文化〉』勉誠出版、二〇二〇年)
洪 晟準(ほんそんじゅん)
①檀国大学校HK教授(韓国)
②日本近世文学
③「『月氷奇縁』自評について」(『読本研究新集』6、読本研究の会、二〇一四年六月)、「馬琴の勧懲観─『石言遺響』を中心に」(『国語と国文学』93─7、東京大学国語国文学会、二〇一六年七月)、『曲亭馬琴の読本の研究』(若草書房、二〇一九年)
袴田光康(はかまだみつやす)
①日本大学教授
②平安文学
③『源氏物語の史的回路─皇統回帰の物語と宇多天皇の時代』(おうふう、二〇〇九年)、「東ユーラシアにおける庭園と蓬萊─王朝庭園文学論序説」(小山利彦ほか編『王朝文学と東ユーラシア文化』武蔵野書院、二〇一五年)、「古代庭園文化の受容と翻案─寝殿造庭園と「名所」の発生」(今野喜和人編『翻訳とアダプテーションの倫理』春風社、二〇一九年)
小林ふみ子(こばやしふみこ)
①法政大学教授
②日本近世文学・文化
③「近世日本の異国絵本の愉楽と陥穽」(『文学(隔月刊)』16─6、二〇一五年)、「鈴木芙蓉の唐土憧憬」(『太平詩文』70、二〇一六年)、『へんちくりん江戸挿絵本』(集英社インターナショナル、二〇一九年)
鄭 炳説(ちょんびょんそる)
①ソウル大学校教授(韓国)
②韓国古典小説
③『権力と人間─思悼世子の死と朝鮮王室』(文学トンネ、二〇一二年)、『朝鮮時代小説の生産と流通』 (ソウル大学校出版文化院、二〇一六年)、『韓国古典文学授業』(ソウル大学校出版文化院、二〇一九年)
金 鍾徳(きむちょんどく)
①韓国外国語大学名誉教授(韓国)
②日本中古文学
③『源氏物語の伝承と作意』(ジェイエンシ、二〇一四年)、『平安時代の恋愛と生活』(ジェイエンシ、二〇一五年)、『源氏イヤギ(源氏物語)』(ジマンジ、二〇一七年)
琴 榮辰(ぐむよんじん)
①韓国外国語大学校教授(助教授)
②日本近世文学(東アジア笑話、文化比較)
③『東アジア笑話比較研究』(共著、勉誠出版、二〇一二年)、『東アジアの古典文学における笑話』(共著、新葉館出版、二〇一七年)
近衞典子(このえのりこ)
①駒澤大学教授
②日本近世文学
③『上田秋成新考─くせ者の文学』(ぺりかん社、二〇一六年)、『動物怪談集』(監修、江戸怪談文芸名作選・第四巻、国書刊行会、二〇一八年)、「怪談が語られる「場」─『雉鼎会談』を素材として」(『怪異を読む・書く』同、二〇一八年)
染谷智幸(そめやともゆき)
①茨城キリスト教大学教授
②日本文学・日韓比較文学
③『西鶴小説論─対照的構造と〈東アジア〉への視界』(翰林書房、二〇〇五年)、『韓国の古典小説』(ぺりかん社、二〇〇八年)、『日本近世文学と朝鮮』(勉誠出版、二〇一二年)、『男色を描く 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉』(勉誠出版、二〇一七年)、『日本永代蔵 全訳注』(講談社学術文庫、二〇一八年)
宇野瑞木(うのみずき)
①東京大学東アジア藝文書院(東洋文化研究所)・特任研究員、鶴見大学及び明治大学・非常勤講師
②東アジア説話文学、表象文化論
③『孝の風景─説話表象文化論序説』(勉誠出版、二〇一六年)、『和漢のコードと自然表象─一六、七世紀の日本を中心に』(共編、勉誠出版、二〇二〇年)、「江戸初期の寺社建築空間における説話画の展開─西本願寺御影堂の蟇股彫刻「二十四孝図」を中心に」(水口幹記編『全近代東アジアにおける〈術数文化〉』勉誠出版、二〇二〇年)
[翻訳]
金 英順(きむよんすん)
①立教大学兼任講師
②日本中世文学、東アジアの比較文学
③『海東高僧伝』(編著、平凡社、二〇一六年)、「東アジアの入唐説話にみる対中国意識─吉備真備・阿倍仲麻呂と崔致遠を中心に」(『アジア遊学』197、勉誠出版、二〇一六年)、『シリーズ日本文学の展望を拓く 第一巻 東アジアの文化圏』(編著、笠間書院、二〇一七年)