星山 健『王朝物語の表現機構 解釈の自動化への抵抗』(文学通信)

このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

1月下旬刊行予定です。

9784909658425.jpeg

ISBN978-4-909658-42-5 C0095
A5判・上製・カバー装・240頁
定価:本体6,000円(税別)


先人の業績に寄りかかり、無批判に継承することで、作品解釈が自動化することがなかったか、再検証を試みる書。
話型と中心人物の対応性、不評価巻の存在意義、物語擱筆後の展開の推定・推測、主人公の理想性保持の方法、歴史物語の分析方法、テーマを共有する歌・物語の分析方法について等、抱いた疑問に答え、単に従来の研究上の「常識」を疑うにとどまらず、各作品の本質を問おうとする。

【平安時代の物語が有する仕掛け・仕組み、それを本書では「王朝物語の表現機構」と呼ぶ。そして、長年の研究の蓄積により自明視されている問題、あるいは、記念碑的論考が現れたことによりすでに決着済みと見なされている問題について、別の見取り図はあり得ないか、まったく逆の捉え方も成立し得るのではないかと問い直すことが、本書の基本的態度である。これまで、先人の業績に寄りかかり、それを無批判に継承することにより、作品解釈が自動化することがなかったか、再検証を試みた次第である。】......「序章」より

PayPalでお支払い(各種クレジットカード対応)
入金を確認次第、すぐに発送(送料無料)。
案内をメールでお送りいたします。

b1.jpg

b3.gif

b4.gif

【著者】

星山 健(ほしやま・けん)

1965年生まれ。東北大学文学部卒業。同大学院修了。博士(文学)。
岐阜工業高等専門学校、宮城学院女子大学を経て、現在、関西学院大学に勤務(教授)。著書に『王朝物語史論 ―引用の『源氏物語』―』(笠間書院、2008年、第五回全国大学国語国文学会賞受賞)がある。

【目次】

凡例

序 章

第Ⅰ部 『落窪物語』論─男君を中心に継子物語を読む─

第一章 男君が継子を幸福にする物語
 一、はじめに
 二、男君の昇進の意義
 三、男君の手による「女君の理想化」
 四、男君の影響下における女君の精神的変化
 五、おわりに

第二章 脇役達の登場意義と役割
 一、はじめに
 二、道頼の母君
 三、道頼の父君
 四、帯刀の母
 五、おわりに

第三章 重んじられる「心」

第Ⅱ部 『源氏物語』論─不評巻の再評価と物語の行方─

第一章 「朝顔」巻論─女三宮物語の伏線として─
 一、はじめに
 二、斎院卜定以前における不婚の理由
 三、斎院退下後における不婚の理由
 四、「朝顔」巻における紫上の「据え直し」
 五、朝顔姫君物語から女三宮物語へ
 六、おわりに

第二章 「蜻蛉」巻後半の薫像─肥大化する対匂宮意識─
 一、はじめに
 二、対匂宮意識の来歴と、女房との交流に見るその投影
 三、「まことに心ばせあらむ人」の希求とその挫折
 四、女一宮の位相─〈似る〉ことの呪縛─
 五、おわりに

第三章 「蜻蛉」巻、明石中宮への侍従出仕の意義─「夢浮橋」巻の先に見える救いなき世界─
 一、はじめに
 二、明石中宮への出仕の不自然さ
 三、秘密漏洩の布石としての出仕
 四、「夢浮橋」巻以後の展開─円環する物語─
 五、おわりに

第Ⅲ部 後期物語論─〈引用〉という視点からの再考察─

第一章 『浜松中納言物語』、唐后転生を待つもの
 一、はじめに
 二、転生した唐后と中納言の結婚の可能性─先例としての女三宮物語と父の遺志の視点から─
 三、中納言死去の可能性─「長恨歌伝」引用と観相・夢告の視点から─
 四、おわりに

第二章 まことの契り・まことならぬ契り─『今とりかへばや』における『浜松中納言物語』引用─
 一、はじめに
 二、『浜松中納言物語』における「まことの契り」
 三、『今とりかへばや』における「まことの契り」「まことならぬ契り」
 四、男装の女君にとっての妻の密通─主人公の心理的変化と『浜松中納言物語』引用─
 五、主人公正当化の手段としての『浜松中納言物語』引用
 六、おわりに

第Ⅳ部 『栄花物語』論─〈資料参照読み〉から離れて─

第一章 『栄花物語』正編研究序説─想定読者という視座─
 一、はじめに
 二、〈史料参照読み〉の問題点
 三、正史および『源氏物語』「蛍」巻の物語論との関係性
 四、『栄花物語』正編の想定読者
 五、おわりに─新たな読みを求めて─

第二章 「さまざまのよろこび」巻論─帝後宮の物語から兼家一家の物語へ─
 一、はじめに
 二、帝・東宮の存在感の希薄さ
 三、兼家の子・孫の詳述─主客の逆転─
 四、つなぎ役としての兼家
 五、おわりに

第三章 「みはてぬゆめ」巻の構造─不敬事件へと収斂する物語─
 一、はじめに
 二、花山院の懸想
 三、伊周の誤解
 四、おわりに

第四章 後宮運営に関わる者の系譜上における道長
 一、はじめに
 二、村上後宮における安子
 三、円融後宮における資子内親王
 四、一条後宮における詮子
 五、一条・三条後宮における道長
 六、おわりに

附 菟原処女伝説の諸相─〈影響関係〉という呪縛からの解放─
 一、はじめに
 二、福麻呂歌─伝承という行為への関心─
 三、虫麻呂歌─演出される千沼壮士の優位性─
 四、『大和物語』一四七段第一部─目的化される類同的造型─
 五、おわりに

初出一覧
索引