説話文学会編『説話文学研究の最前線 説話文学会55周年記念・北京特別大会の記録』(文学通信)

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9月下旬の刊行予定です。

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説話文学会編『説話文学研究の最前線 説話文学会55周年記念・北京特別大会の記録』(文学通信)
ISBN978-4-909658-35-7 C0095
A5判・並製・368頁
定価:本体3,000円(税別)


2018年11月3日〜5日の3日間、北京の中国人民大学(崇徳楼)で開催された説話文学会五十五周年記念・北京特別大会の報告集。

近年著しく進展している東アジア仏教を主とする宗教研究を視野に入れつつ、第一部には、中国仏教に焦点を当てた講演とシンポジウムに加え、『釈氏源流』を事例とするラウンドテーブル、さらなる問題展開として〈環境文学〉を軸に東アジアの宗教言説と説話をめぐるラウンドテーブルを行った学会の様子を完全収録。
第2部は「これからの説話文学研究のために」として、今後の研究への提言として、内外の研究者10名による文章を収録した。
付録として「北京所在の遼代の寺院をめぐって」を掲載。龍泉寺(りゅうせんじ)、大覚寺(だいかくじ)、潭柘寺(たんしゃじ)、天寧寺(てんねいじ)の案内を収録。

説話文学研究は、「説話」の語彙自体が中国の唐宋代には話芸全般を指す用語であり、話芸の専門家は「説話人」と呼ばれていたように、東アジアに共有されていた概念であり、中国、朝鮮半島、琉球、ベトナムにおよぶ広範の文化圏から考究されるべき課題である。本書はそんな説話文学研究の最前線を伝える一冊である。

執筆は、小峯和明、金 文京、石井公成、李 銘敬、馬 駿、小川豊生、小島裕子、野村卓美、渡辺麻里子、陸 晩霞、吉原浩人、周 以量、何 衛紅、劉 暁峰、染谷智幸、樋口大祐、米田真理子、金 英順、グエン・ティ・オワイン、近本謙介、井上 亘、水口幹記、山本聡美、丁 莉、福田安典、マティアス・ハイエク、趙 恩馤、ファム・レ・フィ、楊 暁捷、千本英史、粟野友絵。





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★公開中●小峯和明「序─「中国仏教と説話文学」の沃野へ」(校正中原稿)


【編者紹介】

説話文学会

1962年創設。2012年に設立50周年を迎えた学会。近年は例会を年3回、大会を年1回開催している。学会誌『説話文学研究』を年1回刊行。
http://www.setsuwa.org/


【目次】

序─「中国仏教と説話文学」の沃野へ●小峯和明


第1部 説話文学研究の最前線─説話文学学会55周年記念・北京特別大会の記録

開会の辞●李 銘敬

基調講演「中国仏教と説話文学」

1 朝鮮翻刻明伊王府刊『釈迦仏十地修行記』の金牛太子説話について●金文京
 1 テキストと内容
 2 制作時期
 3 刊行時期
 4 翻刻時期
 5 「金牛太子伝」の原典
 6 「金牛太子伝」の類話
 7 高麗の敬天寺石塔の『西遊記』浮彫
 8 まとめ

2 仏教説話としての擬経●石井公成
 1 「擬経」とは
 2 説話文学と経典の関係
 3 『大方便仏報恩経』七巻
 4 以後の影響

3 唐宋代の往生伝の編纂と伝承─遼非濁撰『新編随願往生集』研究序説●李 銘敬
 1 唐宋代往生伝集の編纂と伝承
 2 『新編随願往生集』に関しての記録
 3 『新編随願往生集』の成立時間
 4 『新編随願往生集』の内容・編纂・構造

シンポジウム「中国仏教と説話文学」

1 上代文学の文体と漢訳仏典の比較研究─時空表現を中心に●馬 駿
 1 問題提起
 2 先行諸説
 3 独自展開--三音節語による仏典の時間表現
 4 独自展開--四音節による仏典・上代文学の時間表現
 5 課題展望

2 『夢中問答』の説話学─東アジアにおける霊性の波動●小川豊生
 1 『夢中問答』と世阿弥
 2 摩登伽説話と『首楞厳経』
 3 『首楞厳経』と列島の中世

3 説話の創造─淵源としての東アジア、東大寺草創「四聖」観の生成過程●小島裕子
 1 はじめに
 2 「四菩薩」の萌芽
 3 「四菩薩」の輪郭
 4 「四菩薩」の誕生、普賢菩薩の化身となった菩提僧正
 5 むすびにかえて--「四聖」の縁は「西域」より起こる

4 李白作「誌公画讃」成立時期の検討─南京・霊谷寺「三絶碑」成立説話を手掛かりに●野村卓美
 1 はじめに--「三絶碑」成立説話
 2 「三絶碑」成立説話の疑義
 3 「三絶碑」の「宝公像」と「誌公画讃」
 4 同時代の文献から見た宝誌像--張僧繇の描いた宝誌像
 5 盛唐期、李白・呉道子の時代の宝誌像
 6 「鳥爪」説話の発生時期--「徒跣」の解釈
 7 「扇」が固定された時期
 8 結論

5 コメンテーターより
 ①渡辺麻里子 ②陸 晩霞 ③吉原浩人

質疑応答

ラウンドテーブル1「釈氏源流を読む」

1 『釈氏源流』の伝本をめぐって●小峯和明
 1 『釈氏源流』という刊本
 2 寺院の壁画にみる『釈氏源流』
 3 東アジアの伝本
 4 ベトナムの伝本
 5 欧米の伝本

2 『釈氏源流』(仏伝部)の出典について●周 以量
 1 『釈氏源流』の出典
 2 何を利用したのか

3 儒教説話「以豆自検」の源流考─「毱多籌算」を読む●何 衛紅
 1 『釈氏源流』の「毱多籌算」
 2 現在知られている類話
 3 「石」から「豆」への変化

ラウンドテーブル2「東アジアの〈環境文学〉と宗教・言説・説話」

1 東アジアの時間から見た〈環境文学〉─「鼠の嫁入り」の時間問題●劉 暁峰
 1 中国の「鼠の嫁入り」
 2 日本と韓国の鼠に関する習俗
 3 東亜鼠文化視域にある「鼠の嫁入り」
 4 東アジア文化から環境文学へのまなざし

2 東アジアの〈性〉と〈環境文学〉─熊楠・男色・遊郭・二次的自然●染谷智幸
 1 はじめに
 2 浄の男道--岩田準一と南方熊楠
 3 若女ふたつ
 4 二次的自然と遊廓(一)--遊女・遊廓の歴史
 5 二次的自然と遊廓(二)--諸芸能の世界
 6 遊廓における五感の解放/管理、遊女の素顔/化粧
 7 遊廓における遊女の意気地
 8 結語

3 東アジア/日本における自然誌叙述と国家史叙述●樋口大祐
 1 はじめに
 2 『延慶本平家物語』にみる動植物表象の特徴
 3 『塵袋』と『古今著聞集』にみる動植物表象の特徴

4 菩提樹の伝来─栄西による将来とその意義●米田真理子
 1 はじめに
 2 菩提樹の実と葉の伝来
 3 菩提樹の樹の将来
 4 栄西の中興の意味
 5 東大寺の中興と菩提樹
 6 南都の菩提樹
 7 『喫茶養生記』下巻にみる独創性
 8 おわりに

5 韓国の野談と〈環境文学〉●金 英順
 1 はじめに
 2 『於于野談』について
 3 豪雨と山崩れの災害と龍・鰐
 4 飢饉の烏と洪水の蛇
 5 火災と鵂鶹
 6 おわりに

6 ベトナムの説話と〈環境文学〉─研究事情と課題●グエン・ティ・オワイン
 1 ベトナムの環境文学研究事情について
 2 ベトナムの古典文献における環境資料について--「治水譚」を中心に
 3 世界の洪水神話と比較
 4 おわりに

セッション

閉会の辞●近本謙介

第2部 これからの説話文学研究のために

日本文化史と説話研究─戦後歴史学が失ったもの●井上 亘

説話の背後に広がるもの─説話が機能するためには●水口幹記

文学に内包された絵画、あるいはテクストの図像学●山本聡美
 1 はじめに
 2 説話の中に絵画を探索する
 3 イメージ記譜としての文学--田中弥生の仕事
 4 「ムネモシュネ・アトラス」から、テクストの図像学へ
 5 おわりに

鑑真伝記の変容と説話●丁 莉
 1 はじめに
 2 『東征伝絵巻』と和文『東征伝』の般若仙説話
 3 『東征伝絵巻』と和文『東征伝』の共通語句
 4 和文『東征伝』の霊亀龍王説話
 5 和文『東征伝』と『広伝』逸文
 6 おわりに

医事説話と〈学説寓言〉●福田安典

見える呪術とみえない占い─説話の故事性を考える●マティアス・ハイエク

説話研究の地域貢献─「月の兎」説話と地名伝承●趙 恩馤
 1 はじめに
 2 「奔兎洞」の地名由来と「月の兎」
 3 〈ブント村〉と漢字表記の多義性

ベトナムの説話世界の独自性と多元性
 ─東アジア世界論・単一民族国家論・ナショナリズムを超えて●ファム・レ・フィ

 1 はじめに
 2 東アジアにおけるベトナムの説話世界の独自性
 3 多民族国家による多元性、多種多様な文字表記による説話の多様性
 4 国民国家論やナショナリズムを超えて

デジタル時代の研究環境への一提言 ●楊 暁捷

説話文学会55周年に思う ●千本英史


付録 北京所在の遼代の寺院をめぐって―旅のしおり●粟野友絵

 1 龍泉寺(りゅうせんじ)
   歴史/概観と建築様式
 2 大覚寺(だいかくじ)
   PICK UP!/概観と建築様式/明の玉蘭/乾隆帝と迦陵/北京一番の銀杏!
 3 潭柘寺(たんしゃじ)
   歴史/概観と建築様式/塔林!/上塔院!/下塔院!/日本の僧も!
   PICK UP!/潭柘寺の二宝!/大雄宝殿!/古樹!
 4 天寧寺(てんねいじ)
   歴史/PICK UP!/唐の天王寺、遼の天王寺塔!/天寧寺塔を回ろう!/+αスポット!

あとがき●小峯和明 

【執筆者プロフィール】

金 文京(きん・ぶんきょう)
所属:京都大学名誉教授
専門分野:中国古典小説・戯曲
主要著書・論文:「東亜漢文訓読起源与仏経漢訳之関係--兼談其相関語言観及世界観」(『文化移植与方法--東亜的訓読・翻案・翻訳』広西師範大学出版社、二〇一三年)、『三国志的世界』(広西師範大学出版社、二〇一四年)など。
現在の研究テーマ:中国近世戯曲、小説

石井公成(いしい・こうせい)
所属:駒澤大学教授
専門分野:仏教および仏教に関連する文化
主要著書・論文:『華厳思想の研究』、『聖徳太子--実像と伝説の間--』、『〈ものまね〉の歴史--仏教・笑い・芸能--』、『東アジア仏教史』など。
現在の研究テーマ:アジア諸国の仏教とその周辺文化

李 銘敬(り・めいけい)
所属:中国人民大学教授、同大学日本人文社会科学研究センター長
専門分野:日本中古中世説話文学と仏教文学
主要著書・論文:『日本仏教説話集の源流』(研究編)(勉誠出版、二〇〇七年)、『ひと・もの・知の往来--シルクロードの文化学』(荒木浩・近本謙介・李銘敬共編著、勉誠出版、二〇一七年)、『日本文学のなかの〈中国〉』(李銘敬・小峯和明共編著、勉誠出版、二〇一六年)、「『日本霊異記』の文体をめぐって」(瀬間正之編『記紀の可能性』所収、竹林舎、二〇一八年)など。
現在の研究テーマ:日本仏教文芸と唐宋代文献との交渉関係に関する研究

馬 駿(ば・しゅん)
所属:北京第二外国語大学教授
専門分野:上代文学、比較文学
主要著書・論文:『〈万葉集〉和習問題研究』(知識産権出版社、二〇〇四年)、『日本上代文学〈和習〉問題研究』(北京大学出版社、二〇一二年)、『漢訳仏典文体の影響下の日本上代文学』(三巻、中国科学文献出版社、二〇一九年六月)など。
現在の研究テーマ:上代文学作品の古写本における変体漢字の書写体系を東アジア漢字文化圏の立場から捉え、近く研究編と資料編の二作にまとめる予定である。

小川豊生(おがわ・とよお)
所属:元摂南大学外国語学部教授
専門分野:古代・中世文学、中世宗教文化論
主要著書・論文:『日本古典偽書叢刊』第一巻(編著、現代思想新社、二〇〇五年)、『中世日本の神話・文字・身体』(森話社、二〇一四年)など。
現在の研究テーマ:東アジアを貫く思想の普遍性と、列島における思想の固有性との往還を、いかに明晰に描き出すかが目下の(永遠の)課題。

小島裕子(こじま・やすこ)
所属:鶴見大学仏教文化研究所・特任研究員
専門分野:仏教文献資料学(仏教文化・法会儀礼)
主要著書・論文:「五台山憧憬--追想、入宋僧奝然の聖地化構想--」(『仏教と人間社会の研究』朝枝善照博士還暦記念論文集、永田文昌堂、二〇〇四年)、「『金剛寺蔵宝篋印陀羅尼経』資料篇・論攷篇」(日本古写経研究所善本叢刊第六輯、国際仏教学大学院大学日本古写経研究所発行、二〇一三年)、「仏伝の軌跡--釈迦の「檀特山修行」という訛伝に刻まれた真実--」(『東アジアの仏伝文学』小峯和明編、勉誠出版、二〇一七年)など。
現在の研究テーマ:東アジアで構築された漢訳経典・経釈・儀軌などにみられる思想・文化の反映とその展開を、日本における諸々の表現世界に見定め、読み解くことをすすめている。

野村卓美(のむら・たくみ)
専門分野:中世仏教文学
主要著書:『明恵上人の研究』(和泉書院、二〇〇二年)、『中世佛説話論考』(和泉書院、二〇〇五年)、「南京霊谷寺三絶碑完成期考略」(『佛教文化』二〇一八年第二期〈総第一五四期、二〇一八年〉)など。
現在の研究テーマ:我が国における宝誌説話の変容、明恵上人の説話受容

渡辺麻里子(わたなべまりこ)●所属:大正大学教授●専門分野:中世説話文学・仏教文学●主要著書・論文:「天台談義所をめぐる学問の交流」(『中世文学と寺院資料・聖教』竹林舎、二〇一〇年)、「唱導と説法」(『説話文学研究』五十、二〇一五年)、「談義所における聖教と談義書の形成」(『学芸と文芸』竹林舎、二〇一六年)など。●現在の研究テーマ:中世の学僧たちの学問について、特に天台僧の談義に注目し、その方法や内容、学僧の学問形成や交流などを研究。

陸 晩霞(りく・ばんか)●所属:上海外国語大学教授●専門分野:日本古典文学・和漢比較文学●主要著書・論文:『日本遁世文学的研究』(人民文学出版社、二〇一三年)、論文「智覚禅師永明延寿与日本文学」(『呉越佛教』第八巻、九州出版社、二〇一三年)、「樹上法師の系譜--鳥窠禅師から徒然草へ」(『アジア遊学』197、勉誠社、二〇一六年)など。●現在の研究テーマ:日本古代文学史の叙述、仏教と文学の交渉論に関心を持っている。とくに仏教説話と僧伝との関わりや禅宗の文芸に与える影響について中世の時代を中心に考えている。

吉原浩人(よしはら・ひろと)●所属:早稲田大学文学学術院教授、浙江工商大学東亜研究院・広東外語外貿大学・南開大学客員教授●専門分野:日本宗教思想史、東アジア文化交流史●主要著書・論文:『《燈籠佛》の研究』『東洋における死の思想』『南岳衡山と聖徳太子信仰』(以上編著)他。●現在の研究テーマ:二〇一八年度は、特別研究期間で一年間中国に滞在したが、古代中世の東アジア漢字・漢文文化圏の交流史について考えている。

小峯和明(こみね・かずあき)
所属:立教大学名誉教授、中国人民大学高端外国専家
専門分野:日本中世文学、東アジア比較説話
主要著書・論文:『説話の森』(岩波現代文庫)、『中世日本の予言書』(岩波新書)、『遣唐使と外交神話』(集英社新書)、『中世法会文芸論』(笠間書院)他、多数。
現在の研究テーマ:前近代の東アジアの漢字漢文文化圏から中国、朝鮮半島、日本、琉球、ベトナムを対象に共同研究を展開中。環境文学もこれに該当。絵巻を主とする絵画イメージ研究も進行中。

周 以量(しゅう・いりょう)
所属:首都師範大学文学院教授
専門分野:日本近世文学・中日比較文学
主要著書・論文:「仏教説話と笑話--『諸仏感応見好書』を中心に」(『文学史の時空』笠間書院、二〇一七年)、「義堂周信の読書体験と漢詩文創作」(『日語学習と研究』、二〇一七年)など。
現在の研究テーマ:博物学的視野における文学研究

何 衛紅(か・えいこう)
所属:北京外国語大学教授
専門分野:日本古典文学・比較文学
主要著書・論文:「人麻呂歌集七夕歌における『月人をとこ』」(『神戸松蔭女子学院大学研究紀要文学部篇』JOL(4)、二〇一五年)、「七夕歌の発生--人麻呂歌集七夕歌の再考」(『アジア遊学』一九七号、二〇一六年)、「女性仏道修行者の出家と焼身--東アジア仏教最初期の一考察」(『アジア遊学』二〇七号、二〇一七年)など。
現在の研究テーマ:漢字・漢文・仏教・儒教によってつながった地域文化という視点で中国・日本の古典を探ることを研究の方向としている。

劉 暁峰(りゅう・ぎょうほう)
所属:清華大学教授
専門分野:日本歴史、民俗学
主要著書・論文:『古代日本における中国年中行事の受容』(桂書房、二〇〇二年)、『寒食節』(中国社会出版社、二〇〇六年)、『東アジアの時間:歳時文化の比較研究』(中華書局、二〇〇七年)、『日本の顔』(中央編訳出版社、二〇〇七年)、『端午』(三聯書店、二〇一〇年)など。
現在の研究テーマ:古代東アジアの時間認識の形成、沖縄の民間信仰について研究している。

染谷智幸(そめや・ともゆき)
所属:茨城キリスト教大学教授
専門分野:日本近世文学、日韓比較文学
主要著書・論文:『西鶴小説論--対照的構造と〈東アジア〉への視界』(翰林書房、二〇〇五年)、『韓国の古典小説』(編著、ぺりかん社、二〇〇八年)、『冒険・淫風・怪異--東アジア古典小説の世界』(笠間書院、二〇一二年)、『男色を描く』(編著、勉誠出版、二〇一七年)『日本永代蔵』(編著、講談社学術文庫、二〇一八年)、など。
現在の研究テーマ:①朝鮮時代後期の文学作品『九雲夢』と東アジアの恋愛小説の関係。②井原西鶴『男色大鑑』を中心にした東アジアの同性恋文学の変遷解析。③同じく西鶴の『日本永代蔵』を基軸にした日本及び東アジアの経済小説史の解析。④茨城県及びその周辺を題材にした川瀬巴水の木版画調査。

樋口大祐(ひぐち・だいすけ)
所属:神戸大学教授
専門分野:日本文学、東アジア比較文学
主要著書・論文:『乱世のエクリチュール--転形期の人と文化--』(森話社、二〇〇九年)、『変貌する清盛--『平家物語』を書きかえる--』(吉川弘文館、二〇一一年)、「二十世紀の和泉式部伝説--『かさぶた式部考』における「救済」について--」(張龍妹・小峯和明編『東アジアの文学と女性と仏教』勉誠出版、二〇一七年)、"Representations of Nomads in the Works of Ishimure Michiko," Ecocritisism in Japan, edited by Hisaaki Wake, Keijiro Suga, and Yuki Masami, Rexinton Books. 2018所収など。
現在の研究テーマ:日本の歴史文学を海域アジア文化圏や東アジア漢文文化圏の中に位置づけなおし、また、環境文学的視座から捉えなおすことを目指している。

米田真理子(よねだ・まりこ)
所属:元神戸学院大学法学部准教授
専門分野:日本中世文学
主要著書・論文:「『喫茶養生記』再読--栄西による主張の独創性とその継承--」(『比較思想から見た日本仏教』山喜房佛書林、二〇一五年)、「無住における密教と禅--栄西「禅宗始祖」説を考える」(『説話文学研究』五十二号、二〇一七年九月)など。
現在の研究テーマ:栄西を中心に、中世の禅受容の在り方を見直して、中世文学研究に還元させられるよう努力している。

金 英順(きむ・よんすん)
所属:立教大学兼任講師
専門分野:日本中世文学、東アジアの比較文学
主要著書・論文:『海東高僧伝』(編著、平凡社、二〇一六年)、「東アジアの入唐説話にみる対中国意識--吉備真備・阿倍仲麻呂と崔致遠を中心に--」(『アジア遊学』百九十七号、勉誠出版、二〇一六年)、『シリーズ日本文学の展望を拓く 第一巻 東アジアの文学圏』(編著、笠間書院、二〇一七年)、「仏伝の「降魔成道」にみる魔王親子の葛藤」(小峯和明編『東アジアの仏伝文学』勉誠出版、二〇一七年)など。
現在の研究テーマ:仏教と孝、東アジアの仏伝文学、ベトナムの古典文学、韓国の環境文学などについて研究中。

Nguyen Thi Oanh(グェン・ティ・オワイン)
所属:タンロン大学、タンロン認識・教育研究所、副所長
専門分野:ベトナム前近代における漢籍、漢文資料によるベトナムの漢文文学。漢文説話に関する研究。ベトナム・中国・日本の説話に関する比較研究、日・越の漢文訓読研究。
主要著書・論文:Di sản Hán Nôm trong đời sống văn hóa xã hội Việt Nam (Trịnh Khắc Mạnh-Nguyễn Thị Oanh- Vương Thị Hường), Nxb.KHXH, 2016.、「漢字・字喃研究所所蔵文献をめぐって」(『資料学の現在』笠間書院、二〇一七年)、 「ベトナムの漢字」(『日本語学』明治書院、二〇一八年)。
現在の研究テーマ:ベトナムの漢文説話における鬼神世界、中国と日本との比較。

近本謙介(ちかもと・けんすけ)●所属:名古屋大学大学院教授●専門分野:中世日本宗教文芸●主要著書・論文:荒木浩・近本謙介・李銘敬編『ひと・もの・知の往来 シルクロードの文化学』(「アジア遊学二〇八」 勉誠出版、二〇一七年)、荒木浩・近本謙介編『天野山金剛寺善本叢刊第一期 第二巻:教化・因縁』(勉誠出版、二〇一七年)、「南都における浄土信仰の位相―貞慶と『春日権現験記絵』をめぐって―」(『國語と國文学』九十二巻五号、二〇一五年五月)など。●現在の研究テーマ:中世南都における寺院文芸。

井上 亘(いのうえ・わたる)●所属:常葉大学教授●専門分野:日本古代史・出土文献研究●主要著書:『日本古代の天皇と祭儀』(吉川弘文館、一九九八年)、『偽りの日本古代史』(同成社、二〇一四年)、『古代官僚制と遣唐使の時代』(同成社、二〇一六年)

水口幹記(みずぐち・もとき)●所属:藤女子大学教授●専門分野:日本古代文学、日本古代史、東アジア文化史●主要著書:『古代日本と中国文化--受容と選択』(塙書房、二〇一四年)、『古代東アジアの「祈り」 --宗教・習俗・占術』(編著、森話社、二〇一四年)、『前近代東アジアにおける〈術数文化〉』(編著、勉誠出版、二〇二〇年)

山本聡美(やまもと・さとみ)●所属:早稲田大学文学学術院教授●専門分野:日本中世絵画史●主要著書:『九相図をよむ--朽ちてゆく死体の美術史』(KADOKAWA、二〇一五年)、『闇の日本美術』(筑摩書房、二〇一八年)、『中世仏教絵画の図像誌--経説絵巻・六道絵・九相図』(吉川弘文館、二〇二〇年)

丁 莉(てい・り)●所属:北京大学教授●専門分野:平安物語文学、最近は絵巻、「絵画物語論」に関心あり●主要著書:『伊勢物語とその周縁―ジェンダーの視点から』(風間書房 二〇〇六年)、『永遠的唐土―日本平安朝物語文学的中国叙述』(北京大学出版社、二〇一六年)

福田安典(ふくだ・やすのり)●所属:日本女子大学教授●専門分野:日本近世文学●主要著書:『古典は本当に必要なのか、否定論者と議論して本気で考えてみた。』(共著、文学通信、二〇一九年)、『医学・科学・博物 = Medicine Science Natural History : 東アジア古典籍の世界』(共著、勉誠出版、二〇二〇年)

Matthias Hayek(マティアス・ハイエク) ●所属:パリ大学准教授 ●専門分野:歴史社会学、知識社会学 ●主要論文:「算置考--中世から近世初期までの占い師の実態を探って」(『京都民俗』 27、二〇一〇年)、 「『安倍晴明物語』の中の占術と占い師像--江戸前期占書の視点から」(『説話文学研究』52、二〇一七年)、 「異形と怪類--『和漢三才図会』における「妖怪的」存在」(橘弘文・手塚恵子編『文化を映す鏡を磨く--異人・妖怪・フィールドワーク』せりか書房、二〇一八年)

趙 恩馤(ちょう・うね)●所属:崇実大学校助教授●専門分野:比較説話文学●主要著書・論文:「植民地時代における朝鮮説話集と博物学--三輪環『伝説の朝鮮』を中心に--」(『日語日文学研究』九十八号二巻、韓国日語日文学会、二〇一六年八月)、『東アジアの仏伝文学』(共著、勉誠出版、二〇一七年)、「島津久基の童話研究とその意義―再評価に向けて―」(『比較日本学』四十六号、漢陽大学校日本学国際比較研究所、二〇一九年十月)

Pham Le Huy(ファム・レ・フィ)●所属:ベトナム国家大学講師●専門分野:日本古代史、ベトナム古代・中世史●主要著書・論文:「賦役令車牛人力条からみた逓送制度」(『日本歴史』第九号、二〇〇九年)、「ベトナムにおける新発見の陶璜廟碑」(新川登亀男『日本古代史の方法と意義』勉誠出版、二〇一八年)、「ベトナムの年号史試論―丁・前黎・李・陳朝期(十世紀〜十四世紀)の事例を中心に―」(水上雅晴編『年号と東アジア―改元の思想と文化―』八木書店、二〇一九年)

楊 暁捷(やん・しょおじぇ)●所属:カナダ・カルガリー大学教授●専門分野:日本中世文学●主要著書:『鬼のいる光景』(角川書店、二〇〇二年)、『デジタル人文学のすすめ』(共著、勉誠出版、二〇一三年)

千本英史(ちもと・ひでし)●所属:奈良女子大学名誉教授●専門分野:平安・鎌倉散文文学●主要著書:『験記文学の研究』(勉誠出版、一九九九年)、『日本古典偽書叢刊』(共編著、現代思潮新社、二〇〇四・五年)、『高校生からの古典読本』(共編著、平凡社、二〇一二年)

粟野友絵●

[司会]

荒木 浩(あらき・ひろし)●所属:国際日本文化研究センター教授●専門分野:古代・中世文学●主要著書・論文:『説話集の構想と意匠--今昔物語集の成立と前後』(勉誠出版、二〇一二年)、『かくして「源氏物語」が誕生する--物語が流動する現場にどう立ち会うか』(笠間書院、二〇一四年)、『徒然草への途─中世びとの心とことば』(勉誠出版、二〇一六年)など。●現在の研究テーマ:古代・中世文学の読解と分析を軸としながら、近年は、対外観という視点から、説話文学研究の可能性を追求し、また「投企する古典性」という共同研究を進めている。

山口眞琴(やまぐち・まこと)●所属:兵庫教育大学教授●専門分野:中世説話文学●主要著書・論文:『西行説話文学論』(笠間書院、二〇〇九年)、「能〈江口〉とプレテクストをめぐって」(『日本文学』六十七--七、二〇一八年七月)など。●現在の研究テーマ:中世説話のほか諸宗論テクスト・虎狩伝承などの考察。

張 龍妹(ちょう・りゅうまい)●所属:北京日本学研究センター教授●専門分野:『源氏物語』を中心とした平安仮名文学●主要著書・論文:『今昔物語集』本朝部の校訳、天竺震旦部の翻訳(共に人民文学出版社)など。

河野貴美子(こうの・きみこ)●所属:早稲田大学文学学術院教授●専門分野:和漢比較文学、和漢古文献研究●主要著書・論文:『日本霊異記と中国の伝承』(勉誠社、一九九六年)、『日本「文」学史 A New History of Japanese "Letterature" 第一冊 「文」の環境―「文学」以前』(共編著、勉誠出版、二〇一五年)、『日本「文」学史 A New History of Japanese "Letterature" 第二冊 「文」と人びと―継承と断絶』(共編著、勉誠出版、二〇一七年)など。●現在の研究テーマ:中国の学術・文化の日本への伝播および受容について研究を進めている。また近年は、「文」の概念に注目した東アジアの学術・文化史の構想や、近代に至る図書分類の変遷をはじめとする書物の体系の歴史についても検討を行っている。

竹村信治(たけむら・しんじ)●所属:元広島大学●専門分野:日本文学●主要著書・論文:『言述論 for説話集論』(笠間書院、二〇〇三年)、「「内証の「こと加へ」」(『国語と国文学』八十八--十二、二〇一一年十二月)、「文学という経験--教室で」(『文学』十五--五、二〇一四年九月)など。●現在の研究テーマ:言語文化とその教育について、言述論の立場から研究を進めている。

鈴木 彰(すずき・あきら)●所属:立教大学教授●専門分野:日本中世文学、軍記物語●主要著書・論文:『平家物語の展開と中世社会』(汲古書院、二〇〇六年)、『いくさと物語の中世』(共編、汲古書院、二〇一五年)、『アジア遊学一九〇 島津重豪と薩摩の学問・文化』(共編、勉誠出版、二〇一五年)など。●現在の研究テーマ:戦争と文芸の関係史を見すえながら、軍記物語や幸若舞曲などの語り物文芸の受容史の研究や、地域社会(薩摩・防長など)の様相から日本の文学史・文化史を問い直す研究などに取り組んでいる。