久保田和彦『六波羅探題 研究の軌跡 研究史ハンドブック』日本史史料研究会ブックス(文学通信)

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1月中旬の刊行予定です。

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日本史史料研究会ブックス003
ISBN978-4-909658-21-0 C0221 ¥1200E
新書判・並製・240頁
定価:本体1,200円(税別)

「六波羅探題(ろくはらたんだい)」とはいったい何か。
承久の乱に勝利した鎌倉幕府が京都六波羅に設置した、「幕府の出先として朝廷を監視し、武家の安全のためにしっかりがんばる」機関とされてきた、六波羅探題。本書は、その研究史を詳細に跡づけることで、その成立と展開、探題の発給文書、探題の職務と歴史的役割、鎌倉幕府・朝廷と探題との関係、鎌倉後期・幕府滅亡にいたる畿内の変化と探題の滅亡など、六波羅探題に関する様々な問題をわかりやすくまとめた書である。
同時に本書を通じ、六波羅探題の知名度を少しでも高め、また歴史学の研究において、研究史を詳細に跡づけることがどんなに大切かを、日本中世史の研究者をはじめとして、歴史に興味を持つ一般読者、さらに史学科の学生にまで、伝えていこうとする。
172点の著書・論文を編年で並べた『六波羅探題 研究の軌跡』年表も備える。中世史ファン必備の書。

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【著者紹介】

久保田和彦(くぼた・かずひこ)

一九五五年、神奈川県生まれ。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。学習院大学大学院人文科学研究科修士課程修了、同大学院博士課程で単位取得。専攻は日本中世史(荘園、国衙領、国司制度、北条氏、六波羅探題など)。神奈川県立高等学校教諭を経て、現在、鶴見大学文学部文化財学科、日本大学文理学部史学科非常勤講師。共著に、北条氏研究会編『北条氏発給文書の研究』、同編『鎌倉北条氏人名辞典』(勉誠出版、二〇一九年)、論文に、「黒田荘出作・新荘の成立過程と国司政策」(『ヒストリア』一二八、一九九〇年)、「六波羅探題発給文書の研究―北条泰時・時房探題期について―」(『日本史研究』四〇一、一九九六年)、「鎌倉幕府『連署』制の成立に関する一考察」(『鎌倉遺文研究』四一、二〇一八年)などがある。

【目次】

はじめに 「六波羅探題」ってなに
「六波羅探題」ってなに/新書・選書ブーム/承久の乱からまもなく八〇〇年/「六波羅探題」の一般的知識/六波羅探題の通説の成立/六波羅探題研究の本格化/本書のねらい

例言

第一章 戦前の六波羅探題の研究

INTRODUCTION

1 京畿および関西の諸政をすべ、兵馬のことを総掌する─和田英松の研究
和田英松(わだひでまつ)とは─『国史大辞典』14巻を参考に/『官職要解』緒言

2 六波羅は京都の重鎮─三浦周行の研究
三浦周行(みうらひろゆき)とは─『国史大辞典』13巻を参考に

3 六波羅探題の裁判管轄─石井良助の研究
石井良助(いしいりょうすけ)とは/名著『中世武家不動産訴訟法の研究』/六波羅探題の裁判管轄/刑事訴訟における裁判管轄/六波羅探題の土地管轄と事物管轄

第二章 戦後の六波羅探題の研究─通説の成立

INTRODUCTION

1 訴訟制度上に占める六波羅探題の地位─佐藤進一の研究
佐藤進一(さとうしんいち)とは/鎌倉幕府政治の専制化について─鎌倉幕府政治体制の三段階/六波羅探題の名称/訴訟制度上に占める六波羅探題の地位/訴訟機関としての六波羅探題の濫觴/建治・弘安以後の六波羅裁判/六波羅引付の成立/六波羅政務条々(建治三年十二月十九日関東事書)/六波羅探題個人の権限/検断方の成立/六波羅における検断沙汰/検断の実力行使/『沙汰未練書』の「検断沙汰」/検断方の分立/摂津国兵庫嶋悪党乱入事件/六波羅検断方の構成員/六波羅検断方の訴訟手続/訴訟機関としての六波羅探題/六波羅探題の管轄権/六波羅探題の管轄地域を示す史料/六波羅探題の管轄地域は?/六波羅探題は鎌倉幕府の下級裁判所である/守護・地頭に関する裁判/六波羅裁判権の強化/六波羅探題が専決できない「殊重事」とは?/関東・六波羅間の審級管轄関係/佐藤進一の六波羅探題研究のまとめ/もう一つの名著『古文書学入門』/六波羅探題発給文書

2 六波羅探題の成立と構造─上横手雅敬の研究
上横手雅敬(うわよこてまさたか)とは/六波羅探題の成立/訴陳両訴の聴裁/京都守護の軍事警察機能/六波羅の軍事警察機能/六波羅探題個人の性格/南北両六波羅探題の性格/六波羅の法制整備/裁判機関としての六波羅/六波羅への関東の制約/篝屋守護人の設置/六波羅の二つの機能の変化

3 鎮西における六波羅探題の権限─瀬野精一郎の研究
瀬野精一郎(せのせいいちろう)とは/鎮西に関する六波羅探題の発給文書/鎮西に関する六波羅探題の権限/関東所領安堵状の施行/鎮西御家人の裁判処理/鎮西における六波羅探題の権限の消滅

4 探題として成立を見なかった─五味文彦の発言
五味文彦(ごみふみひこ)とは/鎌倉幕府の政治構造と体制/「執事御方下知」と「公方御下知」/六波羅は探題として成立しなかった

第三章 通説に対する異論の展開─本格的研究の開始

INTRODUCTION

1 「六波羅―両使制」─外岡慎一郎の研究
外岡慎一郎(とのおかしんいちろう)とは/広域支配機関としての六波羅探題/「両使」について/「両使」の機能/「六波羅―両使制」をめぐる三つの論点/「両使」の構成/広域支配機関としての六波羅探題/西国守護と「六波羅―両使制」/六波羅探題と西国守護の関係の歴史的展開/六波羅探題と西国守護の関係/室町幕府と六波羅探題/外岡慎一郎の六波羅探題研究

2 公武交渉における六波羅探題の役割─森茂暁の研究
森茂暁(もりしげあき)とは/鎌倉期の公武交渉関係文書/六波羅探題独自の活動/「西国成敗」とその周辺/六波羅探題独自の裁判権/六波羅の公武交渉史上の役割/「洛中警固」とその周辺

3 六波羅探題職員・組織の研究─森幸夫の研究
森幸夫(もりゆきお)とは/『六波羅探題の研究』の出版/南北両六波羅探題についての考察/「執権探題」なる地位/森説の検討/六波羅探題職員ノート/六波羅探題の発展過程

4 六波羅探題被官と北条氏の西国支配─高橋慎一朗の研究
高橋慎一朗(たかはししんいちろう)とは/六波羅探題被官の活動/洛中警固における探題被官の役割/検断頭人/軍事行動/探題被官と西国支配①─守護代/探題被官と西国支配②─六波羅両使/在京人・奉行人/探題被官と北条氏の西国支配/高橋慎一朗の六波羅探題研究

5 六波羅探題発給文書の研究─久保田和彦の研究
久保田和彦(くぼたかずひこ)とは/六波羅探題発給文書の研究/六波羅探題発給文書の統一的基準/熊谷隆之の批判/六波羅探題宛の発給文書/六波羅探題発給文書の宛所

6 六波羅探題の多角的・総合的研究─熊谷隆之の研究
熊谷隆之(くまがいたかゆき)とは/六波羅探題発給文書の研究/六波羅下知状/六波羅御教書と六波羅書下/鎌倉幕府発給の書札様文書/訴訟機関としての六波羅探題/六波羅裁許状の様式/六波羅裁許状の事実書/六波羅裁許状の日付/六波羅注進状/訴訟機関としての六波羅の質的転換/熊谷隆之の総合的な六波羅探題研究

7 公武関係と六波羅探題─木村英一の研究
木村英一(きむらえいいち)とは/六波羅探題の研究史/木村著書の視角・課題と構成/勅命施行/勅命施行と地頭御家人・武家被官/勅命施行と凡下・住人/六波羅探題の成立/成立期六波羅探題の「洛中警固」/「洛中警固」体制の形成/六波羅探題の政治史的位置

第四章 その他の六波羅探題研究

INTRODUCTION

1 在京人と篝屋番役─五味克夫の研究
鎌倉御家人の番役勤仕/在京人と篝屋/篝屋研究のその後

2 在京人とその位置─五味文彦の研究
在京人とその位置/在京人から奉公衆へ

3 六波羅探題の裁判管轄について─稲葉伸道の研究
六波羅探題の裁判管轄の再検討/得宗北条貞時の専制化/訴訟内容の軽重による関東と六波羅の裁判管轄/築地貴久の鎮西探題研究

4 悪党召し取りの構造─近藤成一・西田友広の研究
悪党召し捕りの構造/悪党検断システムの成立/鎌倉後期の幕府・朝廷の検断体制

5 金沢北条氏の研究─永井晋の研究
金沢北条氏の研究/『金沢文庫文書』の研究

6 外岡慎一郎「六波羅―両使制」への批判─佐藤秀成・加藤克・本間志奈の研究
六波羅探題発給文書の伝達経路/「六波羅奉行国」の研究/六波羅探題使節の研究

7 「西国成敗」の確立過程─工藤祐一の研究
鎌倉中期の六波羅探題の研究/「西国成敗」の成立過程

おわりに─六波羅探題研究の今後の課題
『六波羅探題 研究の軌跡』年表/六波羅探題研究の始まり─通説の成立/六波羅探題の実態・機能の研究─通説への異論/熊谷隆之の六波羅探題研究─新たな通説の成立/六波羅探題研究の今後の課題

あとがき

参考文献
『六波羅探題 研究の軌跡』年表