岡田一祐『ネット文化資源の読み方・作り方 図書館・自治体・研究者必携ガイド』(文学通信)

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7月下旬の刊行予定です。

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岡田一祐『ネット文化資源の読み方・作り方 図書館・自治体・研究者必携ガイド』(文学通信)
ISBN978-4-909658-14-2 C0020
A5判・並製・232頁
定価:本体2,400円(税別)

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私たちが残すものは、私たちそのものだ。
インターネット環境において、文化資源のコレクションをバーチャル空間に作り上げる営みについて、多くの事例から縦横無尽に論じる書。日々変わりゆく社会のなかで、資料の公開やその方法論をどう考えて、理路を立てていけば良いか。文化を残すとはどういうことなのかという根源的な事柄から、デジタル・ヒューマニティーズの最新の成果や、情報発信の問題等々、これからのガイドとして、入門として、必読の書です。
本書はメールマガジン『人文情報学月報』(人文情報学月報編集室発行)の連載「Digital Japanese Studies寸見」の2015年4月号掲載の第1回から2018年12月号掲載の第45回までの原稿をもとに加筆修正の上、関係画像を差し込むなどの編集を加え刊行するものです。

【...ではなにをどのように残していけばよいのでしょうか。単純明快な解ではありませんが、こと文化に関するものであるかぎり、集まったものが意味を織りなすひとつの、あるいは重なり合うコレクションとして次の世代へと渡すことが重要ではないでしょうか。
 本書は、そのなかでも、インターネット環境において文化資源のコレクションをバーチャル空間に作り上げる営み(ネット文化資源と呼ぶことにします)について注目し、変わりゆく社会のなかで、そのなかで資源を読み解き、あるいは織りなすことを論じてみたいと思います。ここでは特に、インターネット上にある文化資源の総体というよりも、個々の、漠然とはしていたとしても、あるていどまとまりのある資源の集まりに着目したいと思います。】...「はじめに」より

【著者紹介】

岡田一祐(おかだ・かずひろ)

1987年神奈川県生まれ、千葉県育ち。国文学研究資料館古典籍共同研究事業センター特任助教。2015年北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。北星学園大学非常勤講師、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所特任研究員を経て、2017年より現職。主要な論文に「明治検定期読本の平仮名字体」(『日本語の研究』10巻4号、2014年。2014年度日本語学会論文賞、第37回新村出記念研究奨励賞受賞)、 "Reorganising a Japanese calligraphic dictionary into a grapheme database: The case of Wakan Meien grapheme database" (JADH2016)など。


【目次】

■はじめに
文化資源をコレクションする/本書の歩き方/ネット文化資源の読み方/ネット文化資源の作り方/さらにその先へ

■タグによる本書の歩き方Map

■2015

第1回
インターネット上で利用することがほとんどできなかった本文と索引の公開
―『笠間索引叢刊』が一部国文学研究資料館で公開に

第2回
日本文化研究で小規模デジタル・アーカイブズをどう使うか
―ADEACのアーカイブ追加から考える

第3回
一個人の草稿類アーカイブの公開
―丸山眞男文庫草稿類デジタルアーカイブ

第4回
クラウドソーシングを利用したデータ整備
―「アジアにおける稲作と人口:日本の稲作(1883-1954)」

第5回
英語による学術情報・資源の発信
―人間文化研究機構「English Resource Guide for Japanese Studies and Humanities in Japan」をもとに

第6回
蔵書目録があるデジタル・ライブラリー
―九州大学附属図書館細川文庫のデジタル公開と蔵書目録

第7回
資料を世界につなぐということ
―ウィキメディア・プロジェクトからの思いめぐらす

第8回
変体仮名のユニコード登録作業がはじまった

第9回
日本語古典籍のオープン・データセット
―「国文研古典籍データセット(第0.1版)」の公開

■2016

第10回
コレクション共有から拡がる展覧会、展覧会から拡がるコレクション共有
―アムステルダム王立美術館でBreitner: Meisje in kimono展が開催

第11回
日本の古文献手書き文字をアプリで学ぶ
―「変体仮名あぷり」「くずし字学習支援アプリKuLA(クーラ)」「木簡・くずし字解読システム―MOJIZO―」

第12回
そのデータに住所はあるのか
―利用者がどう参照できるかを意識して考える

第13回
データの公開は他者との交流の手始め
―リンクトデータをどう活用していくか

第14回
文字データベースの現在
―「『和翰名苑』仮名字体データベース」公開から考える

第15回
書誌書影・全文影像データベース
―宮内庁書陵部収蔵漢籍集覧

第16回
オープンサイエンスという流れをまえにして
―日本学におけるデータ共有を考える

第17回
デジタルで「古典日本文化」をどう学ぶか
―慶應義塾大学×FutureLearn「古典籍を通じて見る日本文化」

第18回
どうすればデータ分析やビジュアライゼーションをしやすい
データを作ることができるか
―「近代書物流通マップ」に寄せて

第19回
市民がウィキペディアに係わるということ
―ウィキペディアキャンパスin北大

第20回
国文学研究資料館のデータベース利用規程改定
―古典籍画像データが一挙にオープンに

第21回
参加者と開催者として見た国文研アイディアソン

■2017

第22回
ボランティアとのコラボレーションの方法
―『みんなで翻刻』リリースに寄せて

第23回
Data on the Web Best Practicesを読む
―World Wide Web Consortium(W3C)が公開した文書

第24回
権利の切れた画像資料のオープンデータ化
―大阪市立図書館デジタルアーカイブ

第25回
無償かつオープンソースライセンスで公開されたフォント
―Adobe・Googleの中日韓対応明朝体フォント

第26回
コンピューターを通して解釈するということ
―『Hermeneutica: Computer-assisted interpretation in the Humanities』を読む
第27回
そこに橋はあるか?
―いまどきのデジタル日本学への入門を考える

第28回
郷土資料と驚異の部屋
―船橋市西図書館「デジタルミュージアム」から考える

第29回
論文の投稿版をネット公開できるサービス
―その歴史と文化、強みを考える

第30回
伝統ある電子図書館の新体制への移行
―京都大学電子図書館貴重資料画像データベース

第31回
自由をうたって二十年、そしてさらに未来へ
―青空文庫20周年記念シンポジウム印象記

第32回
Curation APIの未来と、IIIF
―人文学オープンデータ共同利用センターのふたつのデータセット

第33回
研究を助けるプログラミングをどう学ぶか
―『言語研究のためのプログラミング入門』に寄せて

■2018

第34回
国立国会図書館オンラインが公開
―地味な変化だが、使い勝手の向上が随所に施されている

第35回
Digital Humanities Awardsがやってきた
―2017年の出場作品に学ぶ

第36回
デジタルアーカイブと差別
―情報の偏在について公器としてのアーカイブはどう考えるのか

第37回
メタ人文学としてのDHという場
―「2018 Spring Tokyo Digital History Symposium」ツイートまとめを読んで

第38回
IIIFを採用したふたつのアーカイブ
―島根大学附属図書館デジタル・アーカイブと近畿大学貴重資料デジタル・アーカイブ

第39回
明治150年記念事業と公文書館
―国立公文書館「明治期公文書等デジタル化画像特設ページ」

第40回
画像への注釈やリンク化が容易になる未来に
―国立歴史民俗博物館のkhirinと『聆涛閣集古帖』

第41回
研究基盤のかたちとしてのデータセット
―「漢字字体規範史データセット」の公開

第42回
IIIFのメタデータ充実をどう模索していくか
―IIIF Discovery in Japanの開始

第43回
国立国会図書館に入っていない教科書を公開
―国立教育政策研究所教育図書館のデジタルアーカイブ

第44回
コレクションをどう見せていくか
―デジタル・コレクションの位置づけを考える道筋

第45回
文字自動認識研究のデータセット
―「KMNISTデータセット」と「日本古典籍くずし字データセット」

【付録】パスファインダー
・デジタル・コレクション
・セマンティックウェブ
・オープンデータという思想
・コレクション形成・図書館史
・デジタル人文学

デジタル日本学なるもの―後書きに代えて

索引