同志社大学古典教材開発研究センター・山田和人・加藤直志・加藤弓枝・三宅宏幸編『未来を切り拓く古典教材 和本・くずし字でこんな授業ができる』(文学通信)

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3月下旬刊行です。

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同志社大学古典教材開発研究センター・
山田和人・加藤直志・加藤弓枝・三宅宏幸編
『未来を切り拓く古典教材 和本・くずし字でこんな授業ができる』
ISBN978-4-86766-003-4 C0095
A5判・並製・208頁
定価:本体1,900円(税別)

古典を学ぶ楽しさをどう伝えていけばいいのか。
古典を他人事にせず、現代と結びついたものとしてとらえ、少しでも古典に共感できるようにするためにはどうしたらよいか。和本やくずし字を用いた古典教材のあり方を提案する書です。

本書に収録するのは、教科書の古典とは違う、生きた古典の世界を伝えるための、誰もがプリントして利用できる、解答・解説付きのくずし字教材です。多忙を極める教育現場でも使えるよう、なるべく短時間で授業ができるようにしました。ぜひこれらを多くの方に使っていただければと思います。

問題だけでなく、本書は古典教育への新しい切り口を目指すべく、入門編として「古典への誘い方」「和本への誘い方」「くずし字への誘い方」という章立てで、現場から古典教育を再構築していく意欲的な取り組みを紹介します。こちらも大いに参加になる基礎知識・実践例を豊富に収録しました。

古典や古典籍は過去・現在・未来をつなぐタイムカプセルであり、自由に往き来できるタイムマシンでもあります。コミュニケーションツールとしての古典、あるいは、生涯を通して学び続ける喜びを生み出してくれる磁場としての古典を、本書を起点に多くの方々と考え、作っていければと思います。

執筆は、仲島ひとみ/有田祐輔/森木三穂/江口啓子/佐々木孝浩/近江弥穂子/加藤弓枝/加藤直志/飯倉洋一/加藤十握/三宅宏幸/山田和人/永田郁子/岩崎彩香/髙須奈都子/永吉寛行/くずし字一覧=松本文子(字例の墨書)/現古絵合わせカルタ=谷口悠・上久保咲穂・三田村幸菜・遠藤杏・若井花楠子・西川実那・稲田香保(二〇二一年度同志社大学プロジェクト科目履修生)・イラスト=遠藤杏・書写初案=若井花楠子・書写=日比野由佳。





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2023年3月26日公開!

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【編者紹介】

同志社大学古典教材開発研究センター
本研究センターは、古典に備わっている豊かな教材性を追求し、全国の古典文学・国語学・国語科教育の専門家や書誌学・文献学の専門家とも協力することで、子どもたちの古典への興味関心を喚起できるくずし字や古典籍を用いた新しい古典教材の開発と実践を目的として活動しています。 HP:https://kotekiri20.wixsite.com/cdemcjl Twitter:@kotekirinokai

山田和人(やまだ・かずひと)
同志社大学教授(日本近世文学)
[著書・論文]『洛東遺芳館所蔵 古浄瑠璃の研究と資料』(和泉書院、2000年)、『竹田からくりの研究』(おうふう、2017年)、「初学者のためのくずし字教材の可能性と課題」(『同志社国文学』95、2021年)

加藤直志(かとう・ただし)
名古屋大学教育学部附属中・高等学校教諭(国語教育、中古文学)
[著書・論文]「『伊勢物語』第六十九段「狩りの使ひ」の授業実践―「古典探究」を見据えた試み」(『日本文学』71―11、2022年11月)、「くずし字による古典教育の試み・中古文学編―研究と教育という〈両極〉」(『古代文学研究 第二次』30、2021年10月)、『「書くこと」の授業をつくる』(共著、ひつじ書房、2021年)

加藤弓枝(かとう・ゆみえ)
名古屋市立大学大学院准教授(日本近世文学・日本古典書誌学)
[著書・論文]「絵入百人一首の出版―女子用往来物を中心に」(『百人一首の現在』青簡舎、2022年)、「正保版『二十一代集』の変遷―様式にみる書物の身分」(『雅俗』19、2020年7月)

三宅宏幸(みやけ・ひろゆき)
愛知県立大学准教授(日本近世文学)
[著書・論文]『馬琴研究―読本の生成と周縁』(汲古書院、2022年)、『城郭の怪異』(共著、三弥井書店、2021年)、「寛政期読本『怪談雨之燈』の研究と翻刻」(『愛知県立大学説林』69、2021年3月)

カバーイラスト
藤咲豆子
https://twitter.com/huzisakimameko/status/1630542682304167938

【目次】

はじめに――これからの古典教育のために
山田和人(同志社大学)

第1部 入門編

STEP1 古典への誘い方

総論 本当に必要なのかと言わせない古典
仲島ひとみ(国際基督教大学高等学校)

1 「こてほん」の衝撃/2 なぜ必要性を問われてしまうのか/3 古典と外発的動機付け
4 古典と内発的動機付け/5 本当に必要なのかと言わせない古典
6 competence 読める、読めるぞ!/7 Autonomy 自分で決める! 選ぶ!
8 Relatedness みんなで! 推し!

実践1 古典世界に誘うための「フック」と「問い」
有田祐輔(大阪府立茨木高等学校)

実践2 古典のSTEAM化──「ものづくり」による学びの実践
森木三穂(鶴岡工業高等専門学校)

実践3 イメージで現代とつなぐ古典
江口啓子(豊田工業高等専門学校)

STEP2 和本への誘い方

総論 和本のポテンシャル──教材としての古典籍利用の可能性
佐々木孝浩(慶應義塾大学附属研究所斯道文庫)

1 はじめに/2 和本の基礎知識/3 教材としての和本の選択
4 和本は歴史の生き証人/5 おわりに

実践1 貴重書出前授業が伝えてくれたこと
近江弥穂子(横浜市立あざみ野第一小学校)

実践2 古典籍無償貸出プロジェクト「和本バンク」のすすめ
加藤弓枝(名古屋市立大学)

実践3 実際の和本を利用した出前授業
加藤直志(名古屋大学教育学部附属中・高等学校)

実践4 和本の基礎知識
加藤弓枝(名古屋市立大学)

STEP3 くずし字への誘い方

総論 なぜ「くずし字教育」が必要なのか
飯倉洋一(大阪大学名誉教授)

1 はじめに/2 「くずし字教育」と私/3 IT時代の「くずし字教育」
4 なぜ「くずし字教育」が必要なのか/5 結語

実践1 くずし字を解読して古典学習の旅に出る
加藤十握(武蔵高等学校中学校)

実践2 国語科教育にくずし字や和本はどう関わるか──学習指導要領との関連から
加藤直志(名古屋大学教育学部附属中・高等学校)

実践3 くずし字学習の基礎知識
山田和人(同志社大学)

実践4 古典籍のデジタルアーカイブ利用の一例
三宅宏幸(愛知県立大学)

第2部 教材編

初級 地誌・紀行文を読んでみよう!
永田郁子(滋賀大学教育学部附属中学校)

初級 昔の「桃太郎」を読んでみよう!
加藤直志・加藤弓枝・三宅宏幸

初級 昔の「さるかに合戦」を読んでみよう!
加藤直志・加藤弓枝・三宅宏幸

中級 百人一首のパロディを読んでみよう!
加藤直志・加藤弓枝・三宅宏幸

初級 『百人一首』とそのパロディを読んでみよう!
加藤十握

中級 「天徳内裏歌合」の和歌を読んでみよう!
岩崎彩香(青森県立八戸北高等学校)

初級 小袖雛形本を読んでみよう!
高須奈都子(大阪商業大学非常勤講師)

中級 江戸時代のパロディを読んでみよう!
加藤直志・加藤弓枝・三宅宏幸

初級 『竹取物語』をくずし字で読んでみよう!
加藤弓枝

初級 看板から文字文化を学ぼう!
永吉寛行(宮崎大学)

初級 昔の謎かけを読んでみよう!
三宅宏幸

おわりに──未来を切り拓く古典教材へ
山田和人(同志社大学)

付録
くずし字一覧表
現古絵合わせカルタ

参考文献一覧
執筆者プロフィール