中尾友香梨・白石良夫・中尾健一郎・村上義明編 小城鍋島文庫研究会校注『和学知辺草(わがくしるべぐさ)【翻刻・注釈・現代語訳】』(文学通信)

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4月上旬刊行予定です。

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中尾友香梨・白石良夫・中尾健一郎・村上義明編
小城鍋島文庫研究会校注
『和学知辺草【翻刻・注釈・現代語訳】』
ISBN978-4-86766-002-7 C0020
A5判・上製・336頁
定価:本体6,000円(税別)

埋もれていた、もう一つの「うひ山ぶみ」。
知られざる近世の和学手引き書『和学知辺草(わがくしるべぐさ)』、初の翻刻・注釈・現代語訳!

漢学では徂徠学が急速な衰えを見せ、朱子学が盛り返し、異学の禁が発令され、国学では真淵の学風を受け継いだ宣長の学問が完成期を迎えていた、寛政年間(一七八九~一八〇一)。
和学の手引き書が、佐賀の地で作られていた。

著者は「幽林舎散人」。寛政三年秋に官職を解かれ、該書成立の時はすでに六十歳を迎えようとしていことが、自叙から知られるのみ。該博な学識を満載した本著作から、ひとかどの知識人と推察されるが、年代を考えると、おそらく鍋島直嵩(一七五三~八三)の主導する歌壇および文芸サロンに身を置いた人物であろう。

果たして江戸や松坂の新知識はどう伝えられていたのか。
近世思想史、文学史を知るための必読の書。

執筆は、中尾友香梨、白石良夫、進藤康子、大久保順子、亀井 森、土屋育子、中尾健一郎、沼尻利通、日高愛子、村上義明、二宮愛理、脇山真衣、(翻字)三ツ松誠、田中圭子、中山成一。





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【編者紹介】

中尾友香梨(なかお・ゆかり)

佐賀大学教授 漢文学
著書『江戸文人と明清楽』(汲古書院 2010年)

白石良夫(しらいし・よしお) 

元佐賀大学教授 国語国文学
著書『注釈・考証・読解の方法』(文学通信 2019年)

中尾健一郎(なかお・けんいちろう) 

熊本大学教授 漢文学
著書『古都洛陽と唐宋文人』(汲古書院 2012年)

村上義明(むらかみ よしあき) 

熊本学園大学准教授 日本古典文学
共編『京の雅と小城藩』(佐賀大学地域学歴史文化研究センター 2019年)

【目次】

埋もれていたもう一つの「うひ山ぶみ」――まえがきにかえて(中尾友香梨)

和学知辺草の執筆動機とその背景(村上義明)

凡例

翻刻と注釈

自叙
凡例

巻之上
〔1〕世界の中の日本
〔2〕日本、唐土、印度
〔3〕和漢帝系の優劣
〔4〕日本は武の国、唐土は文の国
〔5〕言葉の国、学芸の国、音韻の国
〔6〕日本語の文字
〔7〕和歌のこと、漢詩のこと
〔8〕儒者の偏見

巻之中
〔9〕日本の異称
〔10〕和漢国土の広狭と制度
〔11〕神道の伝授
〔12〕神祇官の盛衰
〔13〕異国の神道、本朝の神道
〔14〕天子と祭祀
〔15〕上代神道の盛況
〔16〕神道の大意
〔17〕神を祭る、神に諂う
〔18〕人倫の道の和漢の相違
〔19〕神道の諸流
〔20〕習合の神道
〔21〕両部神道

巻之下
〔22〕斎元神道
〔23〕唯一宗源神道
〔24〕本地垂迹の果て
〔25〕大黒と恵比須
〔26〕儒学の来由
〔27〕六経のこと
〔28〕孔子の評価
〔29〕古今の学術の相違
〔30〕唐土儒教の流れ
〔31〕いにしえに五行配当なし
〔32〕五行配当の説
〔33〕唐土以外にも教えあり
〔34〕唐土の学問
〔35〕孟子の評価
〔36〕本朝学問の始まり
〔37〕本朝学校の沿革
〔38〕本朝学校の普及
〔39〕本朝いにしえの学制
〔40〕いにしえの軍制
〔41〕天皇の学問
〔42〕古人の強記ぶり
〔43〕金沢文庫
〔44〕本朝宋学の沿革
〔45〕本朝陽明学と古学
〔46〕漢文訓読略史
〔47〕漢文訓読の法
〔48〕日本人の漢詩文
〔49〕和書を読む、漢籍を読む
〔50〕書物版刻の盛行

現代語訳(白石良夫)

自叙
凡例
〔1〕〜〔50〕

あとがき

注釈典拠一覧

索引(人名・書名・事項)

執筆者一覧