国際シンポジウム「徹底討論・大徳寺五百羅漢図の作品誌」(平成30年(2018) 6月2日(9:30~18:10)・3日(10:00~18:00)、九州大学箱崎文系キャンパス大講義室)

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研究会情報です。

●公式サイトはこちら
http://www2.lit.kyushu-u.ac.jp/~aesthe/rakan2018/index.html

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国際シンポジウム
徹底討論: 大德寺伝来五百羅漢図の作品誌
-地域社会からグローバル世界へ-
日時:平成30年(2018) 6月2日(9:30~18:10)・3日(10:00~18:00)
会場:九州大学箱崎文系キャンパス大講義室

【開催趣旨
 京都大徳寺に伝来してきた五百羅漢図は、1幅に5人の羅漢をあらわし、都合100 幅で構成される壮大な作例です。大徳寺が 88 幅を所有し、アメリカのボストン美術館に 10 幅、フリーア美術館に 2 幅が分蔵されています。早くから南宋仏画の優品として知られてきましたが、2009年夏、奈良国立博物館で開催された『聖地寧波展』ではじめて全容が公開されて以降、大きく研究が進展し、南宋時代における浙江省寧波地方の地域社会や仏教信仰の実態に即して語りうる事例として、再び、注目を集めています。
大徳寺本は、13世紀には故郷を離れて鎌倉時代の日本に将来され、長らく異国の地における羅漢図制作の規範とされてきました。近代になるとアメリカの東海岸で展覧会(1894年)が開催され、その後の東海岸における分蔵を契機として、欧米では中国を代表する宗教画として認知され、さまざまな東西比較の議論を惹起してきました。
 大徳寺本は、その誕生から今日に至るまで、さまざまな異なる時空のコンテクスト間を越境移動してきたことになります。その履歴を起点に展開してきた事象は、仏画制作と地域社会、外来美術の受容、美術の制度と古美術、東西美術の比較考察という今日的な美術史学の課題を網羅するだけでなく、仏教史や歴史学、宗教学、文化人類学などのさまざまな人文学の領域に対して、雄弁な視覚資料を提供しています。
 本シンポジウムでは、モノの社会生活や越境移動に注目する作品誌の観点から大徳寺本の歴史的役割を検証し、一作品がローカルであると同時にグローバルな言説に対しても開かれた存在であることを明らかにし、文物研究に対する新しい人文学的アプローチを提示したいと考えています。関心をお持ちの方々のご参加をお願い申しあげる次第です。
(文部科学省科学研究費基盤研究(A)「作品誌の観点による大徳寺伝来五百羅漢図の総合的研究」(研究代表者: 井手誠之輔)及び世界トップレベル研究者招へいプログラム(Progress100: 人社系学際融合リサーチハブ形成型)の一環として開催)】

プログラムは以下。
http://www2.lit.kyushu-u.ac.jp/~aesthe/rakan2018/program.html