リム・ベンチュー著 青山学院大学文学部日本文学科編『唐物の神能における唐土 『東方朔』『西王母』『菊慈童』『鶴亀』をめぐって』(文学通信)

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2024年4月上旬刊行予定です。

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リム・ベンチュー著 青山学院大学文学部日本文学科編 
企画 小松靖彦・韓京子・滝澤みか
『唐物の神能における唐土 『東方朔』『西王母』『菊慈童』『鶴亀』をめぐって』(文学通信)
ISBN978-4-86766-038-6 C0074
B6判・並製・64頁
定価:本体700円(税別)

どういう意味で、能に中国は登場したのだろう。
唐土から伝来したアイデアに基づいて作成された唐物の神能は、日本中世の人々の中国観といかに繋がるのか。中世の能の作者と観客が中国をいかに想像したか。日本が中国と関わり始めた初期の中国のイメージを考える書。中国神話に登場する神仙(神様)を主人公にしている作品から、能における日本と中国の共存というユニークな視点を考える。

【能に登場する人物は大体が日本人で、物語の背景も一般に日本の名所、あるいは重要な歴史事件と関連ある場所など、日本ではよく知られている所です。ところが、中国(唐土)を劇の背景として、登場人物も中国人のことがあります。たいてい能に登場する中国人は、非常に有名な歴史的人物で、中国でもよく知られています。】......「1 はじめに」より

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【著者紹介】

リム・ベンチュー(Lim Beng Choo)

シンガポール国立大学人文・社会科学部日本研究学科准教授。シンガポール国立大学卒業。コーネル大学大学院博士課程修了。Ph.D。日本の伝統芸能および文学の研究を経て、現代文化も含めた日本文化のさまざまな分野に関心を持つ。現在は、日本の伝統芸能とデジタルテクノロジーに関するプロジェクトや能における中国の表象の研究を進めている。

【編者】

青山学院大学文学部日本文学科

https://www.aoyama.ac.jp/faculty/literature/japanese/

【企画】

小松靖彦(こまつ・やすひこ)

青山学院大学文学部日本文学科教授
1961年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科修了。博士(文学)。
著書:『萬葉学史の研究』(おうふう、2008年〈2刷〉)、『万葉集 隠された歴史のメッセージ』(角川選書、角川学芸出版、2010年)、『万葉集と日本人』(角川選書、KADOKAWA、2014年。第3回古代歴史文化賞)、『戦争下の文学者たち --『萬葉集』と生きた歌人・詩人・小説家 』(花鳥社、2021年)など。

韓京子(はん・きょんじゃ)

青山学院大学文学部日本文学科教授
1970年生まれ。韓国徳成女子大学自然科学部卒業。東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)
著書:『近松時代浄瑠璃の世界』(ぺりかん社、2019年)、論文:「佐川藤太の浄瑠璃-改作・増補という方法」(『国語と国文学』第91巻15号、2014年5月)、「植民地朝鮮における文楽興行」(『日本学研究』46輯、2015年9月)「近松の浦島物浄瑠璃の構想」(『国語と国文学』第98巻2号、2021年2月)など。

滝澤みか
(たきざわ・みか)

青山学院大学文学部日本文学科准教授
早稲田大学文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程退学。博士(文学)。
著書:『流布本『保元物語』『平治物語』にみる 物語の変遷と背景―室町末・戦国期を中心に―』(汲古書院、2021年)、小井土守敏氏と共著『流布本 保元物語 平治物語』(武蔵野書院、2019年)など。

【目次】

はしがき(小松靖彦)
講師紹介(韓京子)

Ⅰ はじめに

この講演でお話ししたいこと 
能とその分類 

Ⅱ 神能と唐物の神能

神能
神能の構造
世阿弥と唐事
「唐物」とは

Ⅲ 作品分析

『東方朔』『西王母』
『鶴亀』
『東方朔』『西王母』『鶴亀』の共通点
『菊慈童』について
『白楽天』における唐土

Ⅳ 終わりに

参考文献

講演を聴いて――コメントとレスポンス

■コメント(滝澤みか)
■会場からの質問への解答①
■会場からの質問への解答②
(1)不老長寿の薬を貰うというのは、唐物の神能に見られる特徴なのか。能『富士山』は、唐物ではないが、日本の富士山に不老不死の薬を求めに中国から使者がやってくる内容で、不老不死への憧れという要素がある。
(2)唐物の中に登場せず、宮殿の中にいて臣下に命令を下す皇帝は、永遠不動な北極星と同じイメージを表しているのではないか。

青山学院大学文学部日本文学科主催招聘講演「唐物の神能における中国のイメージ――『東方朔』『西王母』『菊慈童』『鶴亀』をめぐって」について(韓京子)