染谷智幸・畑中千晶編『全訳 男色大鑑〈武士編〉』(文学通信)

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12月中旬の刊行予定です。

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染谷智幸・畑中千晶編
『全訳 男色大鑑〈武士編〉』
ISBN978-4-909658-03-6 C0095
四六判・並製・240頁(8頁カラー口絵+232頁)
定価:本体1,800円(税別)

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殺されたい、愛するお前に...。おお、これが究極の純愛というヤツなのか。
井原西鶴が1687年に描き出した、詩情あふれる華麗・勇武な男色物語が、遂に現代に甦る。
若衆と念者の「死をも辞さない強い絆」は、常に焦点ととして描かれる三角関係の緊張感とともに、長い間、誠の愛を渇望して止まぬ人々の心を密かに潤し続けてきた。
世界の奇書として名高い『男色大鑑』。全集でしか読めなかった作品群が、わかりやすい現代語と豪華漫画家陣[あんどうれい、大竹直子、九州男児、こふで、紗久楽さわ]の挿絵によって鮮やかに息を吹き返す。
天才、井原西鶴による300年前のストーリーが今ここに復活。魅惑の古典世界への道しるべが、ここに登場。古典文学は、ここから学ぶと絶対楽しい!

本書は『男色大鑑』八巻中、前半の武家社会の衆道に取材した作品四巻までを収録(後半の四巻は2019年6月に刊行予定)。
現代語訳は、若手中心の気鋭の研究者、佐藤智子、杉本紀子、染谷智幸、畑中千晶、濱口順一、浜田泰彦、早川由美、松村美奈。

●本文より
「今の思いはどうだ。これでも白状せぬか!」
と仰せられた。小輪は右手を差し出して、
「この手で兄分をさすりましたゆえに、さぞかしお憎しみは深いことでしょう」
と言うと、殿は飛びかかってその手も斬り落としておしまいになった。
〈巻2の2 傘持つても濡るる身〉より

「御貴殿を深くお慕いしております証拠には......」
と同時に肩を脱ぐと、
団之介の左腕には「嶋村」、内記の左腕には「藤内」と名字と名前をそれぞれ刺青して、
「御貴殿に逢わないうちからこの通りです」と見せた。
〈巻2の5 雪中の時鳥〉より

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豪華漫画家陣[あんどうれい、大竹直子、九州男児、こふで、紗久楽さわ]による挿絵!

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★全訳『男色大鑑』特設サイト
http://bungaku-report.com/blog/2018/07/post-235.html

★公式twitter
https://twitter.com/nanshokuokagami

★メディア紹介
・ボーイズラブが地味な古典を救った? 井原西鶴の奇書「男色大鑑」をBLとして読む(好書好日〈朝日新聞〉)
https://book.asahi.com/article/11959797

・江戸BL好き歓喜!紗久楽さわ、大竹直子らが参加!『全訳 男色大鑑』(ちるちる)
https://www.chil-chil.net/compNewsDetail/k/blnews/no/18743/

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★立ち読み
畑中千晶「巻頭言 初めての古典が『男色大鑑』でもいいんじゃないか」を期間限定全文公開○染谷智幸・畑中千晶編『全訳 男色大鑑〈武士編〉』(文学通信)

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【編者・執筆者紹介】

■編著者

染谷智幸(そめや・ともゆき)
茨城キリスト教大学教授。『西鶴小説論―対照的構造と〈東アジア〉への視界』(翰林書房、2005年)、染谷智幸/畑中千晶編『男色を描く 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉』(勉誠出版、2017年)、西鶴研究会編『気楽に江戸奇談!RE: STORY井原西鶴』(笠間書院、2018年)、『日本永代蔵 全訳注』(講談社学術文庫、2018年)など。
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★染谷智幸・CiNii論文検索結果(本文あり)はこちら
西鶴小説新論-東アジアへの視界-(博士論文)(2013-03-22)全文公開

畑中千晶(はたなか・ちあき)
敬愛大学教授。『鏡にうつった西鶴 翻訳から新たな読みへ』(おうふう、2009年)、KADOKAWA『男色大鑑』(B's-LOVEY COMICS)の解説(2016年)、染谷智幸/畑中千晶編『男色を描く 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉』(勉誠出版、2017年)、西鶴研究会編『気楽に江戸奇談!RE: STORY井原西鶴』(笠間書院、2018年)など。
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★畑中千晶・CiNii論文検索結果(本文あり)はこちら


■執筆者

佐藤智子(さとう・さとこ)
東京都公立小学校教諭。「研究史を知る『武道伝来記』」『西鶴と浮世草子研究』」Vol.3(笠間書院、二〇一〇年)、「校注・解説」『「むだ」と「うがち」の江戸絵本 黄表紙名作選』(小池正胤著、笠間書院、二〇一一年)、「小学校における草双紙作品の教材活用について(その一)〜(その三)」(『叢 草双紙の翻刻と研究』第37号、二〇一六年二月〜第39号、二〇一八年二月)など。
担当[訳]巻1の5、巻2の1
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★佐藤智子・CiNii論文検索結果(本文あり)はこちら

杉本紀子(すぎもと・のりこ)
東京学芸大学附属国際中等教育学校主幹教諭『「むだ」と「うがち」の江戸絵本 黄表紙名作選』(小池正胤箸、笠間書院、二〇一一年)(校注・解説)、『国語教師のための国際バカロレア入門―授業づくりの視点と実践報告』(半田淳子編著、大修館書店、二〇一七年)(第2章④解説)、「国立国会図書館蔵 黄表紙『王子長者』について」(『叢 草双紙の翻刻と研究』第39号、二〇一八年二月)など。
担当[訳]巻3の1〜巻3の3
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濵口順一(はまぐち・じゅんいち)
男色文学研究家・博士(日本文化)。「野傾物の発生と消滅―江島其磧の作品を中心に」(『日本文学』52巻6号、二〇〇三年六月)、「『男色子鑑』と『男色大鑑』―山八と西鶴を巡って―」(『解釈』50巻9・10号、二〇〇四年一〇月)。
担当[訳]巻4の1・巻4の2
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浜田泰彦(はまだ・やすひこ)
佛教大学准教授。『三弥井古典文庫 武家義理物語』(共著、三弥井書店、二〇一八年)、「『色里三所世帯』の再検討―「天子」を真似る外右衛門―」(『鯉城往来』第一九号、二〇一六年一二月)、「見物左衛門とその子孫たち―狂言から黄表紙・歌舞伎へ―」(『京都語文』第二六号、二〇一八年一一月)など。
担当[訳]巻2の3〜巻2の5
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早川由美(はやかわ・ゆみ)
奈良女子大学博士研究員・愛知淑徳大学非常勤講師 『西鶴考究』(おうふう、二〇〇八年)、『〈江戸怪談を読む〉猫の怪』(白澤社、二〇一七年)、「資料紹介 川喜田石水「見たき本」目録―近世期地方知識人の書物意識―」(『叙説』四五号 、二〇一八年三月)など。
担当[訳]巻3の4・巻3の5
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松村美奈(まつむら・みな)
愛知教育大学・愛知大学非常勤講師。西鶴研究会編『気楽に江戸奇談!RE:STORY 井原西鶴』(笠間書院、二〇一八年)、『仮名草子集成 第53巻』(共著、東京堂出版、二〇一五年)、「『和漢乗合船』典拠考―運敞著『(正続)寂照堂谷響集』との関係から」(『日本文学』62巻3号、二〇一三年三月)など。
担当[訳]巻4の3〜巻4の5
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あんどうれい(あんどう・れい)
SNSに江戸を舞台にした、江戸こぼれ話BL漫画「エドと右京」を投稿。『男色大鑑ー無惨編ー』(KADOKAWA)など。
担当[イラスト]巻1の2・巻2の3
twitterアカウント @Rei_Ando

大竹直子(おおたけ・なおこ)
漫画家。一九九三年、角川書店よりデビュー。主に日本の歴史・時代物を中心に執筆。著書に「白の無言」(竹書房)「写楽(原作/皆川博子)」「源平紅雪綺譚」「秘すれば花」「しのぶれど」「百々之助☆変化」「阿修羅の契」(小池書院)など。
担当[イラスト]巻1の4・巻2の2
twitterアカウント @naokoohtake6969

九州男児/松山花子(きゅうしゅうだんじ/まつやまはなこ)
主要作品に、『課長の恋』(ビブロス、リブレ出版)、『ネコ侍』(日本文芸社)、『ヨメヌスビト』(オークラ出版)など。
担当[イラスト]巻4の2・巻4の3
twitterアカウント @kyusyu_danzi

こふで(こふで)
プランタン出版『Canna』vol.57にて読み切り「春はまだ交わらない」で商業デビュー。2018年5月から本格的に漫画、絵の仕事を開始。江戸をメインジャンルとして商業誌を中心に活動中。
担当[イラスト]巻4の4・巻4の5
twitterアカウント @kkkkhofude

紗久楽さわ(さくら・さわ)
江戸BL漫画「百と卍」(祥伝社)連載中。同作が『このBLがやばい!2018年度(宙出版)』第一位、『ちるちるBLアワード2018』次に来るBL部門第一位。代表作はNHK木曜時代劇化作品・畠中恵原作『まんまこと』コミカライズ(秋田書店)、『かぶき伊左』(KADOKAWA/エンターブレイン)は二〇一四年文化庁メディア芸術祭・委員会推薦作品。
担当[イラスト]巻2の5・巻3の2
twitterアカウント @climnon

【目次】

・カラー口絵(あんどうれい、大竹直子、九州男児、こふで、紗久楽さわ)
・[図解]若衆図(若衆とその髪型)
・巻頭言 初めての古典が『男色大鑑』でもいいんじゃないか(畑中千晶)
・お読みになるまえに こんな現代語訳を目指しました/こんな「おまけ」も付けました

全訳 男色大鑑〈武士編〉開幕!

序 男女の恋は間に合わせ、男色こそ恋の本道

巻1
1 色はふたつの物あらそひ―男が男に恋する二十三の理由
2 此道にいろはにほへと―この道ひとすじ「一道」先生、少年二人の恋路見守る
3 垣の中は松楓柳は腰付―病気平癒の祈願を続けること半年、ついに美少年と恋仲に
4 玉章は鱸に通はす―煮え切らないなら、愛する兄分だって斬り捨てる
5 墨絵につらき剣菱の紋―丹之介を救った大右衛門、恋は幸せな結末のはずだったのに

巻2
1 形見は二尺三寸―信玄公と共に戦ったこの刀、これで仇を討ってくれ
2 傘持つても濡るる身―俺もいつかは兄分を持ち、その方を可愛がりたい
3 夢路の月代―ぬしの唾は恋の味、すくいあげて飲みほし申す
4 東の伽羅様―離れていてもおそばにいます、動かぬ証拠はそのかけら
5 雪中の時鳥―ホトトギスのためならば、ボクらのすべてを捧げます

巻3
1 編笠は重ねての恨み―恥辱を晴らすは衆道の義、武士に劣らぬ稚児の心根
2 嬲りころする袖の雪―雪責めしたのは、ただお前だけだと言ってほしかったから
3 中脇差は思ひの焼け残り―死んだあいつの願いを叶えるために「走れ、半助」
4 薬は効かぬ房枕―叶わぬなら殺してしまえ美少年、お前こそ殺してやろう野暮男
5 色に見籠むは山吹の盛り―純愛か狂気か、ひたすら見つめ続けた、最強の追っかけ

巻4
1 情けに沈む鸚鵡盃―遊女に飽き、妻に先立たれ、最後に行き着くところは
2 身替りに立名も丸袖―愛する人の代わりに死ねますか。男色の意気地が奪った三人の命
3 待ち兼ねしは三年目の命―世にも奇妙な三角関係、知らぬは松三郎ばかりなり
4 詠めつづけし老木の花の頃―シワシワな君に恋してる、君は永遠の若衆だから
5 色噪ぎは遊び寺の迷惑―武士編の最後は、許嫁と結婚。これでいいのか

解説1 
マルチOS西鶴の『男色大鑑』(畑中千晶)
一、西鶴その人
二、西鶴の文章
三、『男色大鑑』という作品

解説2 
男色の楽しみと衆道の歴史(染谷智幸)
一、はじめに
二、男色、二つの世界
三、浄の男道
四、若衆の意気地と武士の綺羅
五、おわりに

あとがき―そして、歌舞伎若衆編へ。なんと作者西鶴が登場!(染谷智幸)

・執筆者プロフィール