東アジア恠異学会 第122回定例研究会(2019年 3月 21日(木/祝)15時〜、園田学園女子大学)
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日時:2019年 3月 21日(木/祝)15時〜
会場:園田学園女子大学
内容:「卜部と疫病--卜占の技法と神祇祭祀--」
大江篤(園田学園女子大学教授/当会代表)
【要旨】
東アジア恠異学会は、2006年に『亀卜 歴史の地層に秘められたうらない の技をほりおこす』(臨川書店)を上梓し、東アジア古代の卜占の一つである「亀卜」の技法を復元実験をもとにその歴史的変遷を明らかにした。そして、報告者は、亀卜の実行者である卜部の「媒介者」としての性格について検討を加えてきた。卜部は、律令神祇官祭祀で卜占を行うとともに大祓(解除)・鎮火祭(鑽火)・道饗祭などを主催している。卜部がこれらの祭祀に関与することについて、神祇官の官人としての職掌であると考えることができるが、大陸との交流が原因となる流行病に対して「原因を占うことができる卜部に、疫病防止の祭祀の職掌が与えられることは自然である」(細井浩志 2017)という指摘がある。しかし、卜者が祭祀をすることは自然であろうか。なぜ卜部の執行する祭祀が疫病消除に有効であったのか。本報告では、神祇祭祀における卜部の役割を検討することからその特質を考えたい。
参考文献
東アジア恠異学会編 2006『亀卜 歴史の地層に秘められたうらないの技をほりおこす』臨川書店
大江篤 2016「<媒介者>としての卜部ー国家の祈りにおける役割ー」(水口幹記編『古代東アジアの「祈り」─宗教・習俗・占術』)森話社
安田政彦編 2017『(生活と文化の歴史学8)自然災害と疾病』竹林舎