東洋大学『哲学ワンダーランド⸺井上円了の不思議な世界』展(2018年年6月9日(土)、16日(土)、23日(土)、30日(土)13:00~17:00(16:30受付終了)、赤羽台キャンパス INIAD-HUB1 1階INIADホール ホワイエ)

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展示会情報です。

●公式サイトはこちら
https://enryo-wonderland.iniad.org

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公開展

『哲学ワンダーランド―井上円了の不思議な世界―』
場所 赤羽台キャンパス INIAD-HUB1 1階INIADホール ホワイエ
https://www.iniad.org/access/
日時 2018年年6月9日(土)、16日(土)、23日(土)、30日(土)13:00~17:00(16:30受付終了)
入場料 事前申込は不要です


【本年は、東洋大学の創立者であり、明治期の日本の近代化に哲学教育の側面から多大な影響を与えた井上円了先生(1858 ~1919)の生誕160 周年・100 回忌にあたります。これを記念して、東洋大学情報連携学部(INIAD)では、井上円了先生が設計した哲学堂公園( 東京・中野区)を、最新のコンピュータ技術を使って演出する展示会を開催することになりました。

東洋大学にINIAD を開学するにあたり、開祖の井上円了先生についていろいろ学びました。私なりの理解で、先生の「哲学」と今でいう「科学」が非常に近しいものであることを知り、自分で考えることを重視するその科学的姿勢に感銘しました。

人工知能をはじめとする最新のコンピュータ技術が、日本の社会のカタチを根本から変え始めた現代は、ある意味「西洋合理主義」が伝統的日本に押し寄せた明治にも次ぐ激動の時代です。井上先生の「自分で考える力を持て」という教えは、時を越えて現代を生きるための生きる力にもつながります。

井上先生を語るときクローズアップされることが多い、先生が始められた「妖怪学」も、狐狸妖怪を信じる明治の人々に「自分で考えること」を教えるにあたり、まず興味を引くため―いわば教育のきっかけ。ただ、そういう合理性だけでなく、妖怪グッズのコレクションに発展させたところは、先生の人間味でもあります。

今回の開催にあたって、哲学堂公園について先生の書かれた書をはじめいろいろな文献にあたりました。そこからわかったことは、「哲学堂」が歩きながら哲学がわかる「教育装置」として緻密に設計された空間だということです。当然「演出装置」として妖怪グッズも公園内に多数配置されていました。

しかし、残念なことに当時の「演出装置」は多くが失われたり、他へ移されたり、劣化したりして演出意図を果たせない状態になっています。たとえば哲学堂公園の道は最後に「絶対城」につながります。「絶対城」は先生が唱えた「あらゆる知識の集まる書庫」という概念を形にした図書館でした。ゴールに「答え」ではなく、「自ら学び考えよ」として書庫を置き、突き放すという洒落た演出ですが、今の「絶対城」にはその21,000冊の蔵書はありません。

そこで、今回の展示では、単なる過去の写真の展示から一歩踏み出して、先生がこの公園に込めた設計意図を解題する―それを先生が今生きておられたら、趣味と実益を兼ねて喜んでお使いになったであろう最新のコンピュータ技術を駆使して演出するという設計になっています。事実、井上先生の「絶対城」に今最も近づいているのはインターネットの「向こう側」だと思います。紙ベースでは「あらゆる知識の集まる書庫」という概念の実現は不可能ですから、井上先生がインターネットを知られたらどんなに喜ばれたかとも思います。そして、その考え方は「紙を使わないで教育する」という制約を自ら楽しむというINIAD 流でもあります。

なお、今回の展示にあたっては、実物をベースに創造的なカットを切り取るという作風を確立された写真家 佐藤倫子氏にお願いし、今の哲学堂公園を切り取っていただきました。その新旧の写真に、さらに過去の写真を人工知能により高解像度化や着色を行ったINIAD 流の写真を加え、いろいろな工夫で演出をしました。哲学堂公園と比較すれば小さな空間ですが、楽しんでいただければ幸いです。

INIAD(東洋大学情報連携学部)学部長
坂村 健】

【展示について

井上円了先生や、哲学堂公園の古い写真資料など東洋大学に保存されているものを、最新のAIを使いカラー化、高解像度化をおこないました。またプロジェクションマッピングや複数のプロジェクター画像を合成するステッチングといった技術により、銅像やレリーフを動く展示にしています。また、INIAD のメイカーズハブのレーザーカッターで作成した哲学堂公園の立体模型や、井上先生のコレクションの妖怪巻物などを、センサーとプロジェクターにより手で操作できるインタラクティブ展示にしています。さらに過去の写真と現代の哲学堂公園の写真を対比させる展示では、壁面に投影された360 度カメラによる写真をセンサーで操作できる展示も行っています。】