研究会の感想ー充実の三発表、ただし不満も!(有働裕)

やっぱり研究発表が中心になるのはいいですね。仲さんも浜田さんも、色々な反論を受けて怯んだかもしれませんが、結論の是非はともかく、発表過程にさまざまな大切な示唆が含まれており、大変興味深く思いました。

ボロクソに言われるのを承知で挑むのが、創立当初のこの研究会の発表形式でした。その覚悟で私も引き受けてきましたが、ふと気が付くと、若い人たちが発言せず、発足以来のメンバーばかりが意見を述べているようになっている気がしてきました。もっと色んな方に質問意見を述べてもらいたい。我々ロートルが若い皆さんを委縮させてしまっているとするなら忌々しき問題。なんとかしなくては。

井上さんの発表は、篠原先生との前哨戦でどうになることかと思っていましたが、予想に反して方向性に近いものを感じたのですがどうでしょうか。井上さんが紹介してくれた小川和也氏『儒学殺人事件』(講談社)、遅ればせながら読みました。感動的なほど面白い。『文学』の井上さんの論文とよみ合わせるしと一層面白いと思います。まだお読みでなければぜひ!