第38回・西鶴研究会(2014年3月27日(木) 午後2時~6時、青山学院大学 総合ビルディング)

日程 第38回
2014年3月27日(木)
午後2時〜6時
場所
青山学院大学 総合ビルディング (教室は当日1Fに掲示します) 

◆『西鶴置土産』神話の形成――無視された青果戯曲――
神奈川大学 広嶋 進

『西鶴置土産』(元禄六年冬刊)は通説では西鶴晩年の作であり、自らの死に臨んで「悟り」を得て達観した作者の境地を示す作品であるとされている。  しかし、作者が本当に「悟り」の境地にあったのかどうかは知り得ないことであり、また本作の成立時期に関して元禄二年成立説も存在している(潁原退蔵、野間光辰両説)。 私はこのような作品解釈は「西鶴神話の一つ」と呼ぶべきものであると述べたことがある(『西鶴探究』ぺりかん社)。  本発表では、この「『西鶴置土産』神話」が、いつ、誰によって提示され、その後どのように形成されていったのかを探索してみたい。そして同時に、そのような「神話」を支えてきた文学観(=作品評価の枠組み)を明らかにしてみたい。 またこれに関連して真山青果の『西鶴置土産』翻案劇(大正十二年刊)を取り上げ、この劇作がなぜ正当な評価を受けてこなかったのか、その理由についてもふれてみたい。

◆[講演]西鶴戯作者説再考
九州大学名誉教授   中野三敏

(事務局より)

 中野氏のご講演に関しましては、中野氏から、岩波書店の『文学』(2014年1,2月号)所載の「西鶴戯作者説再考」にお書きになったものを中心に、従来のものを踏まえて、全体的にお話しになる、とのご連絡を戴いております。当日ご参加される皆さまには、事前に『文学』のご論文をお読みいただければと存じます。
 なお、当日のご講演の後、討議の時間を1時間ほど用意させていただいておりますが、今回の「戯作者説再考」は、様々な問題を含んでおります関係上、多種多様なご意見・ご感想が出るものと思われますので、この1時間では足りないことが予想されます。
 そこで事務局としては、事前に、中野氏の「西鶴戯作者説再考」(『文学』)を読まれた上でのご意見、ご感想を集め、笠間書院の「西鶴リポジトリ」にアップして、当日の議論が深まるようにしたいと考えております。(既に、中野氏の上記ご論文にお名前の載った、篠原進氏よりご意見を載せたい旨、ご連絡をいただいております)

リポジトリにご意見・ご感想をお載せになりたい方は、

締め切り:3月20日(木)、ただし出来るだけ早くお送りください。

     届き次第にアップいたします。

原稿の長さ:3000字〜4000字程度

 *なお、このリポジトリの編集権は笠間書院側にあります。ご承知置きください。

 の要領で染谷までお送りください。

 よろしくお願いいたします。              (染谷記)

その他 講演の司会は、有働裕氏の予定です