西鶴研究会編『西鶴が語る江戸のダークサイド―暗黒奇談集』(ぺりかん社、2011.3)

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西鶴が語る江戸のダークサイド

編集 西鶴研究会
西鶴が語る江戸のダークサイド
 
A5判・256頁
1900円 + 税 (8% 税込:2052円)

ISBN978-4-8315-1288-8
C0091

2011 年発行

●版元公式サイト
http://www.perikansha.co.jp/Search.cgi?mode=SHOW&code=1000001569

話し上手として知られた西鶴が語る、社会の裏面や人生の暗部といった元禄の暗黒(ダークサイド)。原文と口語訳、語注と解説を付した、刺激的な西鶴入門。

●目次●
まえがき
凡例
<都市の怪事件>
連続幼女誘拐事件―『西鶴諸国ばなし』巻二の六「男地蔵」
京都の闇金融―『本朝二十不孝』巻一の一「今の都も世は借物」
聖人になりすました男―『本朝桜陰比事』巻三の四「落とし手有り拾ひ手有り」
  近世(江戸時代)前期の京都
<武家の意地と欲>
呪詛の釘打ち―『武道伝来記』巻一の二「毒薬は箱入の命」
狙われた少女の生き肝―『新可笑記』巻一の四「生胆は妙薬のよし」
  武士の奇異な風習―男色と敵討ち―
<商売の裏側>
悪い奴ほどよく眠る―『懐硯』巻五の二「明けて悔しき養子が銀箱」
亡者の執着―『日本永代蔵』巻四の四「茶の十徳も一度に皆」
不良債権の罠―『世間胸算用』巻二の一「銀一匁の講中」
  貞享・元禄の経済事情
<庶民の生きざま>
武家の娘もゆすりの世の中―『世間胸算用』巻一の二「長刀はむかしの鞘」
ホームレスたちの大晦日―『世間胸算用』巻五の三「平太郎殿」
  今も昔もカウントダウン
江戸のワーキングプア―『万の文反古』巻一の三「百三十里の所を十匁の無心」
  本心を知りたくなるのは何故―書簡体小説の古今東西
<遊興と性愛の闇>
  一代男の世界・一代女の世界
屍体から爪をはがす商売―『好色一代男』巻四の二「形見の水櫛」
今夜恨みを晴らします―『好色一代男』巻四の三「夢の太刀風」
お殿様の閨の秘密―『好色一代男』巻一の三「国主の艶妾」
<太宰の愛した西鶴>
 太宰《戯画化》の背景―西鶴と<志賀批判>―
貧しても武士の意地―『西鶴諸国ばなし』巻一の三「大晦日はあはぬ算用 義理」
女たちの闇―『新可笑記』巻五の四「腹からの女追剥」
武士たちの面目もその果ては―『武家義理物語』巻一の五「死なば同じ波枕とや」
  元禄の出版界と西鶴

本書の原典となった作品について
西鶴略年譜
文献案内
読者のみなさんへ
あとがき